【中2数学】確率の正体とは?なぜコインは10回投げても表が半分出ないのか

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すくぞう
すくぞう

博士!ちょっと聞いてよ。

友達とコインを10回投げて表が出るか勝負したんだけど、3回しか表が出なくて負けちゃったんだよ!

博士
博士

ほぅ、コイン投げで勝負をしたのか。

3回しか出なかったとなると、それは悔しかったのじゃな。

すくぞう
すくぞう

悔しいよ!

でもおかしくない?

コインの表と裏が出る確率は \dfrac{1}{2} だよね?だったら10回投げたら5回は表が出るはずなのに、なんで3回しか出ないの?もしかしてあのコイン、細工されてたんじゃないかな?

博士
博士

ほぅ、実に素直で面白い引っかかりじゃな。

誰もが一度は「確率は \dfrac{1}{2} なのに、なぜ半分出ないのじゃ?」と不満に思うものじゃよ。

すくぞう
すくぞう

えっ、みんなそう思うの?

じゃあ僕のコインがインチキだったわけじゃないんだね。

博士
博士

もちろんじゃ。

実はな、「確率」という数字が表している本当の意味を知ると、なぜ10回投げて3回しか出なくても全く不思議ではないかがスッキリ納得できるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

本当!?

じゃあどうして3回しか出なかったのか、その理由を教えてよ!

確率が表す数字の意味

2回に1回起きるという意味ではない

すくぞう
すくぞう

ねえ博士、そもそも確率が \dfrac{1}{2} っていうのは、「2回投げたら1回起きる」って意味じゃないの?

博士
博士

そこが最初の大きな勘違いの分かれ道なのじゃ。

確率は「数回程度の実験で約束される回数」を表しているのではないのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

約束される回数じゃないの?

じゃあ一体何を表しているの?

博士
博士

それは、「何百回、何千回と数えきれないほど同じ実験を繰り返したときに、そのことが起こる割合」のことなのじゃ。

すくぞう
すくぞう

何千回も繰り返したときの割合……?

博士
博士

そうじゃ。例えば、コインをたったの10回投げただけなら、表が3回しか出ないこともあれば、たまたま7回出ることもあるじゃろう。

すくぞう
すくぞう

うん、10回くらいなら運が悪くて偏ることもあるかもしれないけど……でも、100回投げたって、1000回投げたって、運が悪ければ偏るんじゃないの?

何千回も繰り返して近づく割合

博士
博士

そこが確率の不思議で面白いところなのじゃ。

実はな、回数を100回、1000回、1万回と増やせば増やすほど、その「運の偏り」はどんどん小さくなっていくのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

えっ、回数を増やすと偏りが小さくなるの?

でもコインは「さっき表が出たから次は裏を出そう」なんて考えてくれないよね?

博士
博士

その通りじゃ。コインに記憶も意思もない。じゃがな、実際に大昔の数学者たちが何千回、何万回もコインを投げる実験をした記録があるのじゃ。

最初は3回や7回と大きくブレていても、1万回も投げると、表が出る割合は限りなく 0.5、つまり \dfrac{1}{2} に近づいていくのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

1万回も投げた人がいるんだ!……

回数が少ないときは運でブレるけど、ものすごくたくさん繰り返すと、ちゃんと \dfrac{1}{2} に近づいていくんだね。

博士
博士

うむ。このように、途方もない回数を繰り返したときに見えてくる「起こりやすさの割合」こそが、確率の正体なのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

そうだったんだ!

だからたった10回投げただけじゃ、5回ぴったりにならなくても全然おかしくないんだね。

同様に確からしいとは何か

どの結果も同じくらい期待できる状態

すくぞう
すくぞう

でも博士、確率が「何千回も実験したときの割合」なら、僕たちは確率を調べるために毎回何千回もコインを投げなきゃいけないの?

そんなのテストのときにやってられないよ!

博士
博士

うむ、テスト中に何千回もコインを投げておったら時間が足りんからのぅ。

だから数学では、「実際に実験をしなくても、頭の中で計算して確率を求める仕組み」があるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

実験しなくても計算できるの?

そんな便利なこと、どうやってやるの?

博士
博士

それには、絶対に欠かせない「ある重大な前提」が必要なのじゃ。

それが、教科書にも登場する「同様に確からしい」という考え方じゃよ。

すくぞう
すくぞう

「どうようにたしからしい」……?

なんだか難しい呪文みたいで、全然ピンとこないよ。

博士
博士

言葉は硬いが、意味はとても素直なことじゃ。

平たく言えば、「どの結果が起こることも、同じくらい期待できる」ということじゃな。

すくぞう
すくぞう

どの結果も、同じくらい期待できる?

博士
博士

例えば、普通のサイコロを1個振る場面を想像してみるのじゃ。サイコロには 1 から 6 までの目があるな。

すくぞう
すくぞう

うん、1, 2, 3, 4, 5, 6 の6つの目があるよ。

博士
博士

そのサイコロが綺麗な立方体で、どこにも偏りがなければ、1 の目だけが特別に出やすいとか、6 の目だけが出にくい、なんてことはあるかの?

すくぞう
すくぞう

そんなことないよ。どれも同じくらい出そうだし、どれが出るチャンスも平等だよ。

博士
博士

まさにその状態のことじゃ!

1 から 6 までのどの目が出ることも、同じ程度に期待できる。このとき、「どの目が出ることも同様に確からしい」と言うのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

どの目も同じくらい公平に出るってことなんだね!

歪んだサイコロでは計算できない理由

博士
博士

その通りじゃ。

では逆に、もしも誰かがイタズラをして、6 の裏側に重りを仕込んだ歪んだサイコロがあったらどうなるかの?

すくぞう
すくぞう

あ!それなら重い方が下になって、反対側の目がやたらと出やすくなっちゃうよ!

博士
博士

そうじゃな。そんなイカサマのサイコロでは、「どの目が出ることも同様に確からしい」とは言えん。どの目が出るか五分五分ではないから、「1 の目が出る確率は \dfrac{1}{6} です」という計算は成り立たなくなってしまうのじゃ。

すくぞう
すくぞう

なるほど……!

どの目も完全に公平に出るチャンスがあるからこそ、計算で確率が予想できるんだね。

確率の計算公式と割合の正体

小学校で習った割合と全く同じ仕組み

すくぞう
すくぞう

「同様に確からしい」っていう公平な前提があれば、どうやって計算するの?

博士
博士

計算の仕組みはシンプルじゃ。確率の公式を見てみるかの。起こりうるすべての場合の数を n、そのうち、あることがら A が起こる場合の数を a とすると、A の起こる確率 p は次のように計算するのじゃ。

p = \dfrac{a}{n}

すくぞう
すくぞう

p = \dfrac{a}{n} ……うわ、分数だ。分母の n と分子の a って何を表してるの?

博士
博士

分母の n は「全部で何通りあるか」、分子の a は「狙った結果が何通りあるか」を表しておる。

つまり、全体のうち、狙ったものがどれだけの割合を占めているかを出しておるのじゃ。

すくぞう
すくぞう

全体のうち、狙ったものの割合……?

「割合」って、あの小学校の算数でやったパーセントとか小数のやつ?僕、あの計算ちょっと苦手だったんだけど……。

博士
博士

うむ、割合と聞くと身構えてしまうかもしれんの。じゃが、構造はとても素直じゃ。

「全体」をもとにして、「狙ったもの」がどれだけあるかを分数で表しておるだけなのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

あ、全体を分母にして、狙ったものを分子に乗せるだけなんだ!それなら難しくなさそうかも。

博士
博士

その通りじゃ。例えば、普通のサイコロを1個振って「偶数の目が出る確率」を考えてみようかの。

すくぞう
すくぞう

サイコロの目は全部で 1, 2, 3, 4, 5, 6 の 6 通りだよね。だから分母は 6 かな?

博士
博士

うむ。そして偶数の目はどれかの?

すくぞう
すくぞう

偶数は 2, 4, 6 だから、全部で 3 通りだね!

博士
博士

そうじゃな。どの目が出ることも同様に確からしいから、偶数が出る確率は次のようになるのじゃ。

\begin{aligned} p &= \dfrac{3}{6} \\ &= \dfrac{1}{2} \end{aligned}

すくぞう
すくぞう

あ、約分して \dfrac{1}{2} になるんだ!

約分も忘れちゃいけないんだね。

確率の数字が0から1の間に収まる理由

博士
博士

うむ、分数はできるだけ約分して簡単な形にするのが数学の作法じゃな。そして、もう1つ大切な性質があるのじゃ。確率 p の値は、必ず次の範囲に収まるのじゃよ。

0 \le p \le 1

すくぞう
すくぞう

0 以上、1 以下?マイナスになったり、1 より大きくなったりはしないの?

博士
博士

絶対にありえんのじゃ。例えば、サイコロを振って 7 の目が出ることはあるかの?

すくぞう
すくぞう

あるわけないよ!サイコロには 1 から 6 までしかないんだから、7 なんて絶対に出ないよ。

博士
博士

そうじゃな。絶対に起きない場合の数は 0 通りじゃから、確率は \dfrac{0}{6} = 0 になる。

では、「1 から 6 のどれかの目が出る確率」はどうかの?

すくぞう
すくぞう

それは 1 個振れば絶対にどれかが出るよ!6 通り全部だもん。

博士
博士

その通りじゃ。確率は \dfrac{6}{6} = 1 になる。

狙った場合の数が全体を超えることは絶対にないから、確率は 1 より大きくはならんのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

え?でも天気予報だと「降水確率100%」って言うよね?なんで最大が100じゃなくて 1 なの?

博士
博士

鋭い引っかかりじゃな!

「100%」というのは全体を 100 と置いた表し方じゃ。数学の確率では、全体そのものを 1 として計算するから、最大が 1 になるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

なるほど!100\% が 1 なんだね。

絶対に起きないのが 0 で、絶対に起きるのが 1 だから、どんな確率も必ず 0 から 1 の間に収まるんだ!

演習問題

確率の基本的な求め方と、確率の範囲について確認していきましょう。

問題 1 の解答・解説

【解答】

\dfrac{2}{3}

【解説】

1 個のサイコロを投げるとき、起こりうる目の出方は 1, 2, 3, 4, 5, 6 の 6 通りであり、どの目が出ることも同様に確からしいと考えられます。

このうち、3 以上の目は 3, 4, 5, 6 の 4 通りです。

したがって、求める確率は次のようになります。

\begin{aligned} p &= \dfrac{4}{6} \\ &= \dfrac{2}{3} \end{aligned}

よって、3 以上の目が出る確率は \dfrac{2}{3} です。

問題 2 の解答・解説

【解答】

\dfrac{2}{5}

【解説】

袋の中には赤玉が 3 個、白玉が 2 個入っているため、玉の総数は次のようになります。

3 + 2 = 5

したがって、玉の取り出し方は全部で 5 通りあり、どの玉が取り出されることも同様に確からしいと考えられます。

このうち、白玉が取り出される場合は 2 通りです。

したがって、白玉が出る確率は次のようになります。

p = \dfrac{2}{5}

よって、白玉が出る確率は \dfrac{2}{5} です。

まとめ

すくぞう
すくぞう

最初のコイン勝負、10回投げて3回しか出なかったのも、コインがおかしかったわけじゃなくて、回数が少なすぎてブレてただけなんだね。

博士
博士

うむ、その通りじゃ。何千回、何万回と繰り返して初めて \dfrac{1}{2} に近づくのが確率の正体じゃからな。

すくぞう
すくぞう

1回1回の勝負では偏ることもあるけど、何千回も投げたら公平な数字に落ち着くんだね。なんだか確率のモヤモヤが取れてスッキリしたよ!

博士
博士

それは良かったの。基本の考え方はこれでバッチリじゃ。じゃが、中学校のテストや入試では、サイコロを「2個」同時に振ったり、コインを「2枚」「3枚」投げたりする問題がよく出るのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

サイコロが2個!?目の組み合わせが一気に増えて、数えるのがすごく大変そう……!

博士
博士

そこで登場するのが「樹形図」や「表」という道具なのじゃ。もれなくダブりなく数え上げる工夫を、次回は学んでいくとしようかの。

すくぞう
すくぞう

サイコロ2個の数え方だね!次回も楽しみだな。

博士、教えてくれてありがとう!

博士
博士

うむ、次回も楽しみにしておるのじゃよ。

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