【数学A】反復試行の確率公式はなぜCを掛けるのか?原理から理解する解き方

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すくぞう
すくぞう

博士!
反復試行の確率に出てくる _n \mathrm{C}_r p^r (1-p)^{n-r} っていう公式について教えてほしいんだ。
1回の確率に通り数の C を掛ける理由がよく分からなくて。
通り数を掛けたら、確率がすごく大きくなっちゃわないの?

博士
博士

ほぅ、良い疑問じゃな。
多くの人が公式として丸暗記して通り過ぎるポイントじゃ。
実は C は確率を大きくするために乗算しているわけではなく、同じ確率になるパターンを足し合わせているのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

同じ確率のパターンを足している…?
どういうこと?

博士
博士

順番に紐解いていこうかの。
まずは、そもそも反復試行とはどういう実験なのか、基本となる条件から確認しておこう。

反復試行の前提条件「毎回同じ確率で繰り返す」

すくぞう
すくぞう

反復試行って、同じことを何回も繰り返す実験のことだよね?

博士
博士

その通りじゃ。
じゃが、単に繰り返すだけでは反復試行とは呼ばんのじゃ。
重要なのは、何回目であっても『毎回起こる確率が変わらない』ということじゃな。

すくぞう
すくぞう

毎回確率が変わらない…
サイコロを振ったり、コインを投げたりする感じかな?

博士
博士

そうじゃ。
1回目に何が出ようと、2回目の確率は変化しない。
これを数学では『独立な試行』と呼ぶのじゃ。
逆にくじ引きで『引いたくじを元に戻さない場合』は、残りの枚数が減って確率が変わるから、反復試行にはならないのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

なるほど!
毎回リセットされて、同じ確率でチャレンジできるのが反復試行なんだね。

博士
博士

うむ。
この前提を理解したうえで、なぜ C が登場するのかを見ていくとしよう。

なぜ 1 回の確率に C(組合せ)を掛けるのか?

すくぞう
すくぞう

ここからが本題だね。
例えばコインを3回投げて、表が2回出る確率を考えたいんだけど。

博士
博士

良い例じゃな。
3回投げて表が2回出る確率を、段階を追って解き明かしていこうかの。

1つの具体的な並び順の確率を求める

博士
博士

まずは『表・表・裏』という特定の順番で出る確率を考えてみようかの。
コイン1回で表が出る確率は \dfrac{1}{2} 、裏が出る確率は 1 - \dfrac{1}{2} = \dfrac{1}{2} じゃな。

すくぞう
すくぞう

うん。
表、表、裏の順に出るから、確率は掛け算して \dfrac{1}{2} \times \dfrac{1}{2} \times \dfrac{1}{2} = \dfrac{1}{8} になるね。

博士
博士

その通りじゃ。
一般化すると、成功する確率が p 、失敗する確率が 1-p のとき、特定の一つの並び順の確率は p^r (1-p)^{n-r} と表せるのじゃ。

同じ確率になる並び方のパターン数を数える

すくぞう
すくぞう

でも、3回投げて表が2回出るのって、『表・表・裏』だけじゃないよね?

博士
博士

よく気がついたの。
実際に書き出してみるかの。

すくぞう
すくぞう

『表・表・裏』のほかに、『表・裏・表』と『裏・表・表』があるから、全部で3パターンあるよ!

博士
博士

うむ。
そして、どのパターンの確率もすべて \dfrac{1}{8} になるのじゃ。
この3パターンという数は、3回の試行枠の中から『表が出る2回の場所を選ぶ』ことと同じじゃな。

すくぞう
すくぞう

あ!3つの場所から2つを選ぶから、_3 \mathrm{C}_2 = 3 通りって計算できるんだ!

足し算を掛け算にまとめる

博士
博士

ここが最大のポイントじゃ。
3つのパターンは同時に起こることはないからのぅ。

すくぞう
すくぞう

同時に起きないから、確率を足し算すればいいんだね。
\dfrac{1}{8} + \dfrac{1}{8} + \dfrac{1}{8} = \dfrac{3}{8} になる!

博士
博士

その通りじゃ。
\dfrac{1}{8} を3回足すということは、\dfrac{1}{8} \times 3 と同じじゃろう?
つまり、\times _3 \mathrm{C}_2 というのは通り数を掛けて確率を大きくしているのではなく、『同じ確率になる _3 \mathrm{C}_2 個のパターンを足し合わせている』ということなのじゃ。

すくぞう
すくぞう

なるほど!
『同じ確率の並びが何個あるか』を求めて、足し算を掛け算にまとめていただけなんだね!
すごくスッキリしたよ!

なぜ P(順列)ではなく C(組合せ)なのか?

すくぞう
すくぞう

ねえ博士、もう一つ気になるところがあるんだけど。
出る順番が関係しているなら、P(順列)を使っても良さそうな気がするのに、なんで C(組合せ)を使うの?

博士
博士

ほぅ、鋭い視点じゃな。
実は、何を並べているかに着目すると疑問が解けるぞい。

すくぞう
すくぞう

何を並べているか?

博士
博士

もし『第1回、第2回、第3回』という3つの試行枠に、2個の『表』を配置すると考えるのじゃ。
表同士は区別がつかないからのぅ。
『どの回で表を出すか』という場所を選ぶ操作になるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

あ、表Aと表Bみたいに区別するわけじゃないから、並べ替える必要がなくて、場所を選ぶだけでいいんだね!

博士
博士

そうじゃ。
3つの枠から表を入れる2つの枠を選ぶだけだから _n \mathrm{C}_r になるのじゃよ。

「〇回目でゲーム終了」問題の注意点

すくぞう
すくぞう

反復試行の公式が使えるようになれば、どんな問題もバッチリかな?

博士
博士

基本はバッチリじゃが、一つだけ多くの人がつまずく落とし穴があるぞい。
例えば『5回勝負で先に3勝した方が勝ち』というゲームで、5回目にA君が優勝する確率を求める問題じゃ。

すくぞう
すくぞう

5回中3勝すればいいから、_5 \mathrm{C}_3 p^3 (1-p)^2 って公式に当てはめればいいんじゃないの?

博士
博士

そこが罠なのじゃ。
もし5回中3勝の計算をしてしまうと、『3回目までに3連勝してゲームが終わっているパターン』まで含まれてしまうのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

あ!
5回目に優勝するってことは、5回目は絶対に勝ってゲームが終わらなきゃいけないんだ!

博士
博士

その通りじゃ。
だから『4回目までに2勝しておき、5回目に絶対に勝つ』という構造に分けて考える必要があるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

なるほど!
『最後の回の結果が固定されている』ときは、公式をそのまま使っちゃダメなんだね。

博士
博士

うむ。
原理を理解していれば、こうした条件の変化にも惑わされずに対応できるぞい。

演習問題

問題 1 の解答

式:_4 \mathrm{C}_2 \times \left(\dfrac{1}{6}\right)^2 \times \left(\dfrac{5}{6}\right)^2 = 6 \times \dfrac{1}{36} \times \dfrac{25}{36} = \dfrac{25}{216}

答え:\dfrac{25}{216}

解説:1 の目が出る確率は \dfrac{1}{6} 、1 以外の目が出る確率は \dfrac{5}{6} である。4 回のうち 1 の目が 2 回出る並び方は _4 \mathrm{C}_2 = 6 通りあるため、これらを掛け合わせて計算する。

問題 2 の解答

式:_4 \mathrm{C}_2 \times \left(\dfrac{1}{3}\right)^2 \times \left(\dfrac{2}{3}\right)^2 \times \dfrac{1}{3} = 6 \times \dfrac{1}{9} \times \dfrac{4}{9} \times \dfrac{1}{3} = \dfrac{8}{81}

答え:\dfrac{8}{81}

解説:5 回目にA君の優勝が決まるためには、「4 回目までにA君が 2 勝 2 敗となり、5 回目にA君が勝つ」必要がある。4 回目までに 2 勝する確率は _4 \mathrm{C}_2 \left(\dfrac{1}{3}\right)^2 \left(\dfrac{2}{3}\right)^2 であり、これに 5 回目に勝つ確率 \dfrac{1}{3} を掛けて求める。

まとめ

すくぞう
すくぞう

公式の _n \mathrm{C}_r は、確率を大きくするためじゃなくて『同じ確率のパターンを足し合わせるため』にあったんだね!

博士
博士

うむ。
公式を丸暗記するのではなく『1パターンの確率 × パターン数』という原理を理解しておけば、条件が変わった問題でも迷わずに解けるようになるぞい。

すくぞう
すくぞう

ありがとう博士!反復試行の仕組みがよく分かったよ!

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