【中3数学】乗法公式はなぜ足して掛けるのか?筆算と面積図の仕組み

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すくぞう
すくぞう

博士、中3になって最初の単元に入ったんだけど、早くも頭がパンクしそうだよ……!

博士
博士

ふぉふぉふぉ、式の展開の単元じゃな。

何につまずいておるのじゃ?

すくぞう
すくぞう

教科書に出てくるこの公式だよ!

(x+a)(x+b) = x^2 + (a+b)x + ab

真ん中が足し算で、後ろが掛け算って書いてあるんだけど、テストになるとどっちを足してどっちを掛けるのか分からなくなっちゃうんだ。

博士
博士

なるほど、丸暗記しようとして混乱しておるわけじゃな。

じゃが、式の展開の仕組みと「面積図」を使えば、なぜ真ん中を足して後ろを掛けるのかが一目で納得できるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

えっ、面積図?

図で見れば丸暗記しなくていいの!?

博士
博士

その通りじゃ!

まずは式の展開の基本である「カッコの外し方」から、順を追って解き明かすとしようかの。

式の展開とは何か?分配法則でカッコを外す原理

カッコとカッコの掛け算は総当たり戦

すくぞう
すくぞう

そもそも「展開」って、何をすることなの?

博士
博士

展開とは、掛け算の形になっている式を計算して、カッコのない足し算や引き算の形(単項式の和)に直すことじゃ。

中2で習った分配法則を思い出してみるのじゃ。

a(c+d) なら、外にある a をカッコの中の c と d の両方に掛けたじゃろ?

すくぞう
すくぞう

うん、ac + ad になるやつだね。

博士
博士

カッコが2つある (a+b)(c+d) も、原理は全く同じじゃ。

前のカッコの各項(a と b)から、後ろのカッコの各項(c と d)へ、矢印を引くように順番に掛けていくのじゃよ。

(a+b)(c+d) = ac + ad + bc + bd

すくぞう
すくぞう

あ、全部の組み合わせを1回ずつ掛ける「総当たり戦」なんだね!

a から2回、b から2回で、全部で4回の掛け算をするんだ。

なぜ公式を使うと計算をショートカットできるのか

博士
博士

その通りじゃ。

では、(x+2)(x+3) を今の総当たり戦で計算してみるとどうなるかの?

すくぞう
すくぞう

順番に掛けていくと……

  • x \times x = x^2
  • x \times 3 = 3x
  • 2 \times x = 2x
  • 2 \times 3 = 6

だから、x^2 + 3x + 2x + 6 になるよ!

博士
博士

うむ。そして真ん中の 3x と 2x は文字が同じ「同類項」じゃから、まとめられるな?

すくぞう
すくぞう

あ、足せるね!

3x + 2x = 5x だから、答えは x^2 + 5x + 6 だ!

博士
博士

見事じゃ。

毎回こうやって4回掛け算をしてから同類項を足しても、絶対に正しい答えにはたどり着ける。

じゃが、毎回この途中式を書くのは少し手間じゃろう?

すくぞう
すくぞう

うん、ちょっと面倒くさいかも……。

なぜ真ん中を足して後ろを掛けるのか?乗法公式の正体

同類項がまとまる仕組みを分配法則で解き明かす

すくぞう
すくぞう

さっきの計算、よく見ると……

真ん中の 5 は 2 + 3 で、後ろの 6 は 2 \times 3 になってる!

博士
博士

おお、すくぞうよ、自分で法則に気づいたのう!

文字を使った (x+a)(x+b) で、先ほどと同じように総当たりで展開してみよう。

\begin{aligned} (x+a)(x+b) &= x^2 + bx + ax + ab \\ &= x^2 + (a+b)x + ab \end{aligned}

すくぞう
すくぞう

うわあ、本当だ!

x が掛かっている項は ax と bx の2つだから、分配法則でまとめると (a+b)x になって足し算になるんだ。

そして一番後ろは数字同士の掛け算だから ab になるんだね!

博士
博士

そうじゃ。

真ん中が足し算になるのも、後ろが掛け算になるのも、すべて同類項をまとめた結果にすぎないのじゃよ。

面積図で見ると一目瞭然!長方形を4つに分けるイメージ

博士
博士

さらに、この公式は「長方形の面積」として眺めると、より直感的に理解できるのじゃ。

縦の長さが x+a、横の長さが x+b の大きな長方形を思い浮かべてみるのじゃ。

すくぞう
すくぞう

縦と横をそれぞれ x と数字のところで区切るのかな?

博士
博士

その通りじゃ。縦と横に1本ずつ線を引くと、大きな長方形は次のように4つの部屋に分かれるのじゃよ。

縦 \ 横xb
xx^2bx
aaxab

・左上の部屋:縦 x × 横 x = 面積 x^2
・右上の部屋:縦 x × 横 b = 面積 bx
・左下の部屋:縦 a × 横 x = 面積 ax
・右下の部屋:縦 a × 横 b = 面積 ab

すくぞう
すくぞう

あっ!右上の部屋と左下の部屋を合わせると……!

博士
博士

うむ、どちらも一辺が x じゃから、並べると縦が x で横が a+b の長方形になるのじゃ。

だから2つの部屋を合わせた面積は (a+b)x になる。

そして最後の右下の部屋は、端っこの小さな長方形じゃから ab じゃな。

すくぞう
すくぞう

すごい!大きな長方形全体の面積は、4つの部屋を足した x^2 + (a+b)x + ab にぴったり一致するんだね!

図で見ると、「真ん中は2つの部屋を足した面積」「後ろは端っこの部屋の面積」ってハッキリ分かるよ。

2桁の掛け算の筆算でも全く同じ計算をしている

すくぞう
すくぞう

面積図ですごくスッキリしたけど……この計算、なんだか昔どこかでやったことがある気がするよ。

博士
博士

鋭い直感じゃ、すくぞうよ!

実は、小学校で誰もが習った「2桁の掛け算の筆算」と、この乗法公式は全く同じ計算をしておるのじゃ。

例えば、13 \times 15 の筆算を思い出してみるのじゃ。

13 は 10 + 3、15 は 10 + 5 じゃな?

すくぞう
すくぞう

あ!x が 10 になった形だ!

博士
博士

そうじゃ。まずは小学校で習った 13 \times 15 の筆算を思い出してみるのじゃ。

     1 3
× 1 5
───────
6 5 ← 13 × 5
1 3 ← 13 × 10(十の位だから1マスずらす)
───────
1 9 5

この計算と全く同じことを、文字式の (x+3)(x+5)でやってみるのじゃよ。

         x + 3
× x + 5
─────────────
5x + 15 ← (x + 3) × 5
x² + 3x ← (x + 3) × x(xの項を縦に揃える)
─────────────
x² + 8x + 15 ← 縦に揃えて足し算!
すくぞう
すくぞう

うわあーっ!本当に完全に一致してる!

数字の筆算で「6+3=9」って足している十の位が、文字式では「5x+3x=8x」って同類項を足している部分なんだね!

博士
博士

その通りじゃ。

小学校の筆算で「下の行を1マス左にずらして書く」のは、十の位(文字式では x の項)を縦に揃えて足すためじゃった。

位を揃えて足す作業こそが、中学数学でいう「同類項をまとめる」ことそのものだったのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

すごすぎる……!

数字の筆算も、文字式の展開も、やっていることは完全に一緒だったんだね!

マイナスの符号が入ったときの考え方

マイナスの数をカッコの中の仲間として扱う

すくぞう
すくぞう

公式の仕組みは分かったけど、マイナスが入ってきたらどうすればいいの?

例えば (x-3)(x+5) みたいな式だよ。

博士
博士

マイナスが出てきても、怖がることは全くないのじゃ。

引き算の -3 を、「+(-3) という負の数」として仲間に入れてやればよいのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

負の数として足したり掛けたりするの?

博士
博士

そうじゃ。

真ん中は「足し算」じゃから、(-3) + 5 = +2 となる。

後ろは「掛け算」じゃから、(-3) \times 5 = -15 となる。

これらを並べるだけで完成じゃ。

(x-3)(x+5) = x^2 + 2x - 15

すくぞう
すくぞう

なるほど!

マイナスも含めて「足して真ん中、掛けて後ろ」のルールをそのまま使えばいいんだね!

よくある符号ミスの防ぎ方

博士
博士

その通りじゃ。ただし、両方ともマイナスのときは特に掛け算の符号に注意が必要じゃな。

例えば (x-4)(x-2) の場合じゃ。

すくぞう
すくぞう

足すと、(-4) + (-2) = -6 だよね。

掛けると、(-4) \times (-2) だから……マイナス×マイナスでプラスになる!

+8 だね!

博士
博士

正解じゃ!

(x-4)(x-2) = x^2 - 6x + 8

足し算の符号(マイナス)と、掛け算の符号(プラス)をごっちゃにしてしまうミスが非常に多い。

「足すとマイナス、掛けるとプラス」と、頭の中でしっかり言葉にして確認するのがミスのない計算のコツじゃよ。

演習問題

問題 1 の解答・解説

【解答】

(1) x^2 + 7x + 12

(2) x^2 + 4x - 12

【解説】

乗法公式 (x+a)(x+b) = x^2 + (a+b)x + ab を用います。

(1)

真ん中の項の係数は 3 + 4 = 7、最後の項は 3 \times 4 = 12 となります。

(x+3)(x+4) = x^2 + 7x + 12

(2)

真ん中の項の係数は (-2) + 6 = 4、最後の項は (-2) \times 6 = -12 となります。

(x-2)(x+6) = x^2 + 4x - 12

問題 2 の解答・解説

【解答】

(1) x^2 - 8x + 15

(2) a^2 + 6a - 7

【解説】

(1)

両方とも負の数である場合の展開です。

真ん中の項の係数は (-5) + (-3) = -8、最後の項は負の数同士の積なので (-5) \times (-3) = 15 となります。

(x-5)(x-3) = x^2 - 8x + 15

(2)

文字が a の場合も同様に公式を適用します。

真ん中の項の係数は 7 + (-1) = 6、最後の項は 7 \times (-1) = -7 となります。

(a+7)(a-1) = a^2 + 6a - 7

まとめ

すくぞう
すくぞう

乗法公式が「足して真ん中、掛けて後ろ」になる理由、分配法則や面積図、それに小学校の筆算とのつながりのおかげでスッキリ納得できたよ!

博士
博士

うむ、丸暗記するのではなく「なぜその計算になるのか」という仕組みを知っておけば、テストで緊張しても自分で理屈を思い出せるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

うん!マイナスの符号がついたときも、負の数として足し算と掛け算を落ち着いてやればバッチリ解けそうだよ。

博士
博士

頼もしいのう。乗法公式の基本はこれで完璧じゃ。じゃが、乗法公式にはあと2つ、中学生がものすごくミスを連発する特別な形があるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

えっ、あと2つ?特別な形ってなに……?

博士
博士

(x+a)^2 のような「2乗の公式」と、(x+a)(x-a) のような「和と差の積」じゃ。特に2乗の公式は、多くの生徒が真ん中の項を書き忘れて大失点してしまうのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

真ん中の項を書き忘れちゃうの!?

それは大変だ……どうして真ん中が出てくるのか、すごく気になるよ!

博士
博士

ふぉふぉふぉ、次回はその「2乗の公式で真ん中が2倍になる理由」と「和と差の積で真ん中が消える秘密」を解き明かしていくとしようかの!

すくぞう
すくぞう

次回もよろしくお願いします、博士!

博士
博士

うむ、楽しみに待っておるのじゃよ。

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