【中2数学】少なくとも1枚は表が出る確率は?1から引く求め方

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すくぞう
すくぞう

博士、前回の終わりに言っていた「少なくとも」って言葉がずっと気になってるんだ。

「コインを3枚投げるとき、少なくとも1枚は表が出る確率」って問題を見たんだけど……「少なくとも」って言われるだけで、なんだか難しそうで身構えちゃうよ。

博士
博士

ふぉふぉふぉ、すくぞうよ。

数学の問題に出てくる「少なくとも」という言葉に苦手意識を持つ中学生は非常に多いのじゃ。

じゃが、言葉の意味を丁寧にほどいていけば、恐れることは何もないのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

本当?

どう考えればいいの?

博士
博士

まずは「真正面から考えることの大変さ」を味わってみるとしようかの!

「少なくとも」の意味と正面から解く苦労

「少なくとも1枚」とはどういう意味か

すくぞう
すくぞう

「少なくとも1枚は表」って、要するにどういうことなのかな?

1枚だけ表が出ればいいの?

博士
博士

そこが最初の分かれ道じゃ。

もし「表が1枚だけ出る」という意味なら、問題文には「1枚だけ表が出る」と書くはずじゃな。

「少なくとも1枚」というのは、「いちばん少なくて1枚」という意味じゃ。

つまり、1枚でもいいし、2枚でもいいし、3枚全部表でも大歓迎ということじゃよ。

すくぞう
すくぞう

あ、そうか!「1枚以上」ってことなんだね!

表が1枚のときもOKだし、2枚のときも、3枚のときもOKなんだ。

博士
博士

その通りじゃ。

逆に言えば、「表が1枚もない(全部裏)」という場合以外は、すべてセーフということじゃな。

正面から樹形図ですべて数え上げる限界

すくぞう
すくぞう

意味は分かったけど……1枚のとき、2枚のとき、3枚のときって、調べる場合が多すぎない!?

博士
博士

うむ、試しにコイン3枚の出方を樹形図で全部書き出してみようかの。
コイン3枚をA, B, Cとすると、表(○)と裏(×)の出方はこうなる。

A ○ ─┬─ B ○ ─┬─ C ○ (○○○)
    │     └─ C × (○○×)
    └─ B × ─┬─ C ○ (○×○)
└─ C × (○××)

A × ─┬─ B ○ ─┬─ C ○ (×○○)
│ └─ C × (×○×)
└─ B × ─┬─ C ○ (××○)
└─ C × (×××)

すくぞう
すくぞう

全部で 2 \times 2 \times 2 = 8 通りあるね!

この中から「少なくとも1枚は表」を探すと……

3枚表が1通り、2枚表が3通り、1枚表が3通りで、全部で7通りもあるよ!

博士
博士

そうじゃな。

すべての場合の数が8通りで、当てはまるのが7通りじゃから、確率はこうなる。

\dfrac{7}{8}

すくぞう
すくぞう

答えは出たけど、7通りも拾い集めるのはすごく大変だったよ。

もしコインが4枚や5枚になったら、樹形図も長くなるし、絶対に途中で数え落としちゃいそう……。

博士
博士

まさにその通りじゃ!

正面から1つずつ数え上げるのは、手間がかかる上にミスも起きやすい。

そこで登場するのが、「1から引く」という考え方なのじゃよ。

なぜ1から引くのか?「起こらない確率」を使う理由

全体の確率は絶対に「1」になる

すくぞう
すくぞう

1から引く……?

なんで引き算で確率が求まるの?

博士
博士

第1回で学んだ大原則を思い出してみるのじゃ。

確率というものは、絶対に起こらない 0 から、絶対に起こる 1 の間に必ず収まるのじゃったな。

すくぞう
すくぞう

あ!「全体の確率は絶対に1」ってやつだね!

博士
博士

その通りじゃ。

ある事柄について、「それが起こる確率」と「それが起こらない確率」の2つを合わせると、すべての可能性を網羅するから、足して必ず 1 になるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

なるほど!

「起こる」か「起こらない」かのどっちかしかないもんね。合わせたら全体(1)になるのは当たり前だ!

起きない側だけを引く理由

博士
博士

では、今回の「少なくとも1枚は表が出る」の反対は何かの?

すくぞう
すくぞう

えーっと、「1枚も表が出ない」……あっ、「3枚とも全部裏が出る」ってこと!?

博士
博士

見事じゃ!

「表が1枚、2枚、3枚」という仲間は7通りもあったが、その反対である「全部裏(×××)」は、たったの1通りしかないのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

たったの1通り!

全部で8通りあるうちの1通りだから、3枚とも裏が出る確率は \dfrac{1}{8} だね。

博士
博士

そうじゃな。

全体である 1 から、仲間はずれの \dfrac{1}{8} を引いてやれば、残りの「少なくとも1枚は表が出る確率」が一瞬で計算できるのじゃ。

\begin{aligned} 1 - \dfrac{1}{8} &= \dfrac{8}{8} - \dfrac{1}{8} \\ &= \dfrac{7}{8} \end{aligned}

すくぞう
すくぞう

うわあ、すごい!

樹形図から7通りを必死に探さなくても、たった1つの「全部裏」を引くだけで同じ答えが出たよ!

博士
博士

ふぉふぉふぉ。

高校数学では、この「起こらない側の事柄」のことを「余事象」と呼ぶのじゃが、考え方そのものは非常にシンプルじゃろう?

「当てはまる場合が多すぎて数えるのが大変なときは、起こらない側を1から引く」。

これが「少なくとも」という言葉を見たときの決定的な解き方なのじゃ。

演習問題

問題 1 の解答・解説

【解答】

\dfrac{7}{8}

【解説】

3枚の硬貨の表裏の出方は、全部で次の 8 通りあり、どれが出ることも同様に確からしいと考えられます。

2 \times 2 \times 2 = 8

「少なくとも1枚は裏が出る」の反対は、「3枚とも表が出る」ことです。

3枚とも表が出る出方は (表, 表, 表) の 1 通りなので、その確率は次のようになります。

\dfrac{1}{8}

したがって、求める確率は全体である 1 からこの確率を引いて計算できます。

\begin{aligned} 1 - \dfrac{1}{8} &= \dfrac{8}{8} - \dfrac{1}{8} \\ &= \dfrac{7}{8} \end{aligned}

よって、少なくとも1枚は裏が出る確率は \dfrac{7}{8} です。

問題 2 の解答・解説
【解答】

\dfrac{3}{4}

【解説】
大小2個のサイコロの目の出方は全部で 36 通りあり、どれが出ることも同様に確からしいと考えられます。

6 \times 6 = 36

「少なくとも1個は偶数の目が出る」の反対は、「2個とも奇数の目が出る」ことです。
大小2個のサイコロの出方を表に整理し、2個とも奇数になるマス目に ○ を付けると、次のようになります。

大\小123456
1○○○
2
3○○○
4
5○○○
6

表より、2個とも奇数の目が出る組み合わせは次の 9 通りです。

(1,\ 1),\ (1,\ 3),\ (1,\ 5),\ (3,\ 1),\ (3,\ 3),\ (3,\ 5),\ (5,\ 1),\ (5,\ 3),\ (5,\ 5)

2個とも奇数の目が出る確率は次のようになります。

\begin{aligned} \dfrac{9}{36} &= \dfrac{1}{4} \end{aligned}

したがって、求める確率は全体である 1 からこの確率を引いて求められます。

\begin{aligned} 1 - \dfrac{1}{4} &= \dfrac{4}{4} - \dfrac{1}{4} \ &= \dfrac{3}{4} \end{aligned}

よって、少なくとも1個は偶数の目が出る確率は \dfrac{3}{4} です。

まとめ

すくぞう
すくぞう

「少なくとも」が出てきたら、全部を数えようとしないで「起こらない場合を1から引く」と考えればいいんだね!

博士
博士

その通りじゃ。「少なくとも」という言葉は、裏を返せば「当てはまる場合がたくさんある」という合図じゃからの。反対側のたった1つを引くほうが、計算も圧倒的に速く、間違いも防げるのじゃ。

すくぞう
すくぞう

コインの表裏、サイコロ2個の表、袋から玉を取り出すときの区別、そして今回の1から引く考え方……中学校の確率って、仕組みが分かるとすごく面白いね!

博士
博士

ふぉふぉふぉ、よくぞここまで学び抜いたのう!

「同様に確からしい」という土台さえ忘れなければ、高校数学の確率に進んでも決して迷うことはないはずじゃよ。

すくぞう
すくぞう

うん!中学数学の確率はもう怖くないよ。博士、4回にわたって教えてくれて本当にありがとう!

博士
博士

うむ、おぬしのこれからの学びをずっと応援しておるのじゃよ。

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