

博士!
時速の計算を学校で「みはじ」で覚えたんだけど、なんだかよく分からなくなるんだ。もっと簡単なやり方はないの?

「みはじ」「きはじ」「はじき」の法則というやつじゃな。
実はあの図を使って解くほうが、普通に計算するよりよほど難しいんじゃぞ。

えっ、学校で教わった公式なのに難しいの?

公式じゃと!?
「みはじ」は公式でも何でもない、ただの暗記の語呂合わせじゃ!

えっ、公式じゃないの!?

そうじゃ。だから応用が効かずに途中で分からなくなるのじゃ。
では「みはじ」の落とし穴を見ながら、本来の自然な計算方法を順番に紐解いていこうかの。
「みはじ」「きはじ」「はじき」の法則について
「みはじ」の仕組み


「みはじ」というのは、円を3つに区切って以下の頭文字を配置したもののことじゃな。
- 「道のり」の「み」(距離の「き」)
- 「速さ」の「は」
- 「時間」の「じ」
求めたいものを指で隠して、残った部分で「掛け算」か「割り算」を決めるという暗記法じゃ。

そうそう!
- 「道のり」を出したければ「速さ×時間」
- 「速さ」を出したければ「道のり÷時間」
- 「時間」を出したければ「道のり÷速さ」
って覚えるんだよね。
「みはじ」が逆に難しい理由

一見便利に見えるが、これがクセモノなのじゃ。
例えば、次の問題を考えてみるかの。
60kmの道のりを2時間で進んだときの時速は?


「みはじ」を使うなら、まずノートに円の図を描いて、時速だから「は」を指で隠して…「み÷じ」だから「60÷2=30」で時速30km!

答えは合っておる。
じゃが、毎回わざわざ図を描いて、文字を当てはめて、計算式を探すというのは手順が多すぎると思わんかの?
「時速」の意味さえ知っておれば、図など描かずに一瞬で答えが出るのじゃ。


時速というのは「1時間でどれだけ進むか」という意味じゃ。
「2時間で60km進む」のなら、「1時間ならその半分の30kmじゃな」とパッと頭に浮かぶじゃろ?

あ!たしかに!
「2時間で60km」なら、1時間あたりは半分に分ければいいだけだね。
公式なんて使わなくても分かるや!
「みはじ」の法則の限界

さらに問題なのは、「みはじ」は単位が変わるとまったく使えなくなる点じゃ。
60kmの道のりを2分で進んだときの時速は?

ええっと…「みはじ」で考えると
「60÷2=30」で時速30km…かな?

そこが罠じゃ!「2分で60km進む」という超猛スピードなのに、1時間で30kmしか進まないなんておかしいじゃろ?
「みはじ」の図に数字を機械的に放り込むと、こういう大失敗をしてしまうのじゃ。


1時間は60分じゃから、2分の30倍(30個分)の長さじゃ。
だから進む距離も60kmの30倍で「60×30=時速1800km」になる。
これが本来の考え方じゃな。

なるほど!
「1時間あたり」の意味を考えていれば、変な答えに気づけるし、ちゃんと計算できるんだね。
時速の計算について
単位の考え方が一番大切

速さの計算で一番大切なのは「単位」じゃ。
単位というのは、「基準となる1つ分あたりイコールいくつなのか」を表しているのじゃよ。

基準となる1つ分?

例えば「10km」なら、「1kmという単位が10個分集まったもの」と考えるじゃろ。
「1時間あたり」で考える時速

では「時速10km」はどうじゃろ?
これは「1時間あたり10km進む」という意味じゃ。
「1時間ごとに10km進む塊」がいくつかある、と考えればよいのじゃな。

言葉の通り「1時間ごとにどれだけ進むか」ってことだね!
時間で割ると時速になる理由

でも博士、学校では「速さ=道のり÷時間」って習うよ。
どうして時間で割ると時速が出るの?

割り算には「同じ大きさに分ける(等分)」という意味があるからの。
60kmを2時間で割るというのは、「60kmを2つに等しく分ける」ということじゃ。
60kmを2等分すると、30kmと30kmに分かれるじゃろ?
この30km1個分が、まさに「1時間進む距離」じゃから、時速30kmになるのじゃよ。

あ!社会で習った「人口÷面積」で1平方キロメートルあたりの人数が出るのも、これと同じ仕組みなんだね!

その通り!よく気づいたの。
人口密度も、時速も、全く同じ割り算の考え方なのじゃ。
速さで割ると時間がでる理由

では逆に、時間を出したいときの割り算も考えてみようか。
60kmの道のりを時速30kmで進むと何時間かかりますか?

時速30kmは「1時間で30km進む」ってことだから…
60kmの中に、その30kmがいくつ入っているかを数えればいいのかな?

大正解じゃ!「いくつ入っているか」を調べるのも割り算の役割じゃ。
「60÷30=2」となるから、30km(1時間分)が2つ入っている。だから「2時間」になるのじゃな。
「みはじ」依存から抜け出す3つのステップ

でも博士、学校で「みはじ」を教わっちゃって、頭が公式でガチガチになっている友達はどうしたらいいの?

親御さんや周りの大人が教えてあげるときは、次の3つのステップで声をかけてあげるのがおすすめじゃぞ。
- ステップ1:公式の円を描くのをやめさせる
「みはじ」の図を描くのを一度ストップさせて、「時速◯km」を「1時間で◯km進む」という日本語に言い換えさせるのじゃ。 - ステップ2:「1時間なら?2時間なら?」と問いかける
掛け算か割り算か迷っていたら、公式を教えるのではなく「1時間で10km進むなら、2時間なら何km?じゃあ半分(30分)なら?」と具体的な問いを投げかけて感覚を呼び起こさせるのじゃ。 - ステップ3:問題文の数値をそのまま簡単な矢印メモにする
「60km → 2時間」とメモを書かせ、「1時間あたりを知りたいから半分にするんだね」と、図ではなく現実の様子をイメージさせるのじゃ。

「公式に当てはめる」んじゃなくて、「現実の様子を想像する」手助けをしてあげればいいんだね!
問題を解いて理解を深めよう

では最後に、自分の力で考えて問題を解いてみるのじゃ。
問1の解答:10分
時速60kmは「1時間(60分)で60km進む」ということじゃ。
60分で60km進むのなら、10km進むには「10分」かかるのが自然にわかるのじゃ。
問2の解答:18秒
10kmは10000m、30分は1800秒じゃな。
「10000mを1800秒で走る」ということは、100m(100分の1の距離)を走るには、時間も100分の1(18秒)で済むということじゃ。
だから答えは「18秒」になるのじゃよ。
あとがき

公式を丸暗記するより、「1時間あたり」の意味を考えるほうがずっとシンプルで応用が効くんだね!

その通りじゃ。
速さだけでなく、食塩水の濃度、割合、人口密度、将来のお金の計算(年率)まで、すべてこの「単位あたりの考え方」で一貫して解けるようになるのじゃ。
もし途中で分からなくなったり、つまずいた部分があれば、下のコメント欄で気軽に聞いておくれ。順番に一緒に考えていこうかの!



コメント