
博士!
前回の「正負の数の掛け算」は分かったんだけど、今度はマイナスの割り算でつまずいちゃったよ。

ふむ、具体的にどんな計算で疑問を感じておるのかな?

「 (-6) \div (-2) 」みたいに、マイナスをマイナスで割るとプラスになるって習ったんだ。でも、割り算って分ける計算なのに、マイナスをマイナスで割ったらどうしてプラスになるの?イメージが全然湧かないよ!

そこは多くの人が違和感を抱くポイントじゃな。
「リンゴを山分けする」といった現実のイメージのままだと、頭の中が混乱してしまうのじゃ。
今回は「割り算は掛け算の穴埋め問題である」という視点と、「逆数を使った掛け算への変換」を使って、順番に紐解いていこう。
具体物で考えると分からなくなる理由

なんで「マイナスの数を、マイナスの人数で分ける」って考えると意味が分からなくなるの?

割り算を最初に習ったときは「6個のリンゴを2人で分けると1人3個」というように、物を山分けするイメージで覚えたはずじゃ。

うん、それならすんなりイメージできるよ。

しかし、「-6個のリンゴ」を「-2人」で分けると言われても、現実世界にマイナスの人間やマイナスの動作は存在しないじゃろ?

あっ、そっか!
現実の人間やリンゴで考えようとしていたから、「マイナスで割る」の意味が分からなくなっていたんだね。

その通りじゃ。
マイナスの割り算を理解するときは、具体物のイメージから離れて「掛け算の裏返し」として捉えるのがコツなのじゃよ。
割り算を「掛け算の穴埋め」として考える

掛け算の裏返しって、どういうこと?

そもそも割り算の a \div b = c というのは、「 b に何を掛けたら a になるか」を探す計算のことじゃ。
例えば 6 \div 2 = 3 は、「 2 \times \square = 6 に当てはまる \square を探す」ということじゃな。

なるほど!割り算は掛け算の穴埋め問題なんだね。

では、この考え方を使ってマイナスの割り算を見ていこう。
(マイナス)÷(マイナス)の計算

(-6) \div (-2) の答えを \square とおくと、どんな掛け算の穴埋め問題になるかな?

えーっと、「 (-2) \times \square = -6 」になる \square を探すってことだね!

その通りじゃ。
前回の掛け算のルールを思い出してみよう。マイナスの数に何を掛けたら、答えがマイナスの数になるかな?

あっ!
マイナスにマイナスを掛けたらプラスになっちゃうから、答えをマイナスにするにはプラスの数を掛けなきゃダメだ!
つまり \square は +3 になるんだね!

正解じゃ。
(-2) \times (+3) = -6 になるから、(-6) \div (-2) = +3 となる。
掛け算のルールと辻褄を合わせるために、マイナス÷マイナスは必ずプラスになるのじゃ。
(マイナス)÷(プラス)と(プラス)÷(マイナス)の計算

じゃあ、符号が違う場合の割り算はどうなるの?

それも穴埋め算で確認してみよう。
まず (-6) \div (+2) = \square は、「 (+2) \times \square = -6 」じゃな。

プラスの数にマイナスを掛けないとマイナスにならないから、 \square は -3 だね!

では (+6) \div (-2) = \square はどうじゃ?

「 (-2) \times \square = +6 」だから、マイナスにマイナスを掛けないとプラスにならないよ!
だからこれも \square は -3 だ!

見事じゃ。
どちらの場合も、異符号の割り算の答えは必ずマイナスになるのじゃ。
割り算を「逆数の掛け算」に直すやり方

穴埋め算で理由はよく分かったよ!でも、分数の割り算とかが出てきたら、毎回穴埋め算を考えるのは大変そうだな。

そこで登場するのが「逆数を使った掛け算への変換」じゃ。
割り算は、割る数の逆数を掛ける計算に直しやすかったじゃろ?
逆数に直しても符号はそのまま

逆数って、分子と分母をひっくり返すやつだね。
マイナスの数の逆数ってどうなるの?

-\dfrac{2}{3} の逆数は、符号はそのままで -\dfrac{3}{2} となる。
符号までひっくり返してプラスにしてしまわないように注意が必要じゃぞ。

符号はそのままで、数字の部分だけ上下をひっくり返すんだね!
符号の決定ルールは掛け算と全く同じ

割り算を「逆数の掛け算」に直してしまえば、あとは前回の掛け算のルールをそのまま使うことができるのじゃ。

どんなルールだっけ?

まとめると次のようになるぞ。
・同じ符号同士の割り算(掛け算)は、答えがプラスになる
・異なる符号同士の割り算(掛け算)は、答えがマイナスになる

なるほど!
割り算を掛け算に直してしまえば、覚えるルールは掛け算のルール1つだけで済むんだね!
分数とマイナス記号の置く位置

博士、もう1つ気になるところがあるんだ。
「 \dfrac{-6}{2} 」と「 \dfrac{6}{-2} 」と「 -\dfrac{6}{2} 」って、マイナスのついている場所が違うけど、何か意味が変わるの?

よいところに気づいたの。
実は、分数の分子についていても、分母についていても、分数全体の前に出ていても、値はすべて全く同じ「 -3 」を表しておる。
\dfrac{-6}{2} = (-6) \div 2 = -3
\dfrac{6}{-2} = 6 \div (-2) = -3
-\dfrac{6}{2} = -(6 \div 2) = -3

へぇー!どこにマイナスがあっても同じ答えになるんだね。

うむ。計算の途中で分母にマイナスが残った場合は、整理して分数全体の前にマイナスを出して書くのが一般的なルールじゃな。
確かめ演習問題

ルールが分かったから、実際に問題を解いて確かめてみたいな!

では、以下の3つの問題を計算してみよう。
解答・解説
問題 1
解答:+3 (または 3)
解説:同じ符号同士(マイナス同士)の割り算なので、答えの符号はプラスになります。12 \div 4 = 3 より、答えは +3 です。穴埋め算で考えても (-4) \times (+3) = -12 となります。
問題 2
解答:-5
解説:異なる符号(プラスとマイナス)の割り算なので、答えの符号はマイナスになります。15 \div 3 = 5 より、答えは -5 です。
問題 3
解答:+6 (または 6)
解説:割る数 -\dfrac{2}{15} の逆数 -\dfrac{15}{2} を掛ける式に直します。
\left(-\dfrac{4}{5}\right) \div \left(-\dfrac{2}{15}\right) = \left(-\dfrac{4}{5}\right) \times \left(-\dfrac{15}{2}\right)
同じ符号同士(マイナス同士)の掛け算なので、符号はプラスになります。
= +\left(\dfrac{4 \times 15}{5 \times 2}\right) = +6
約分をして計算すると、答えは +6 になります。
まとめ

割り算は「掛け算の穴埋め」って考えると、どうしてそうなるのかスッキリ納得できたよ!

それは何よりじゃった。今回のポイントを最後におさらいしておこう。
・割り算 a \div b = c は「 b \times c = a 」となる c を探す穴埋め問題である
・同じ符号同士の割り算はプラス、異なる符号同士の割り算はマイナスになる
・分数の割り算は、符号はそのままで「逆数の掛け算」に直して計算する
・分数のマイナス記号は、分子・分母・全体のどこにあっても同じ値を意味する

これで足し算・引き算・掛け算・割り算の全部の符号のルールがわかったよ!

コメント