【連立方程式】加減法と代入法はなぜ文字が消える?使い分けの理由

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すくぞう
すくぞう

博士!

前回、連立方程式は文字が2つあるから式が2本必要なんだって分かったよ!

博士
博士

うむ、1本の式だけでは無数にある組み合わせを、2本目の式でたった1組に絞り込むのじゃったな。

すくぞう
すくぞう

うん。でも、前回やったみたいに数を1つずつ当てはめて探すのって、かなり大変だよね。

分数の答えだったり、数が大きかったりしたら、当てはめじゃ見つけられない気がするよ。

博士
博士

鋭い着眼点じゃ。当てはめで探すのは、あくまで「解の意味」を実感するための導入に過ぎぬ。

実際の数学では、当てはめに頼らず計算で確実に答えを求める方法を使うのじゃ。

すくぞう
すくぞう

それが学校で習う「加減法」と「代入法」だね。

でも、方程式同士を足したり引いたり、式をまるごと代入したりして、なんで文字が消えちゃうのかな?

博士
博士

ほぅ、良いところに目を付けたの。

やり方の手順だけを覚える人が多いが、「なぜ文字が消えるのか」という原理を理解しておくと、計算の見通しが一段と良くなるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

うん!加減法と代入法の仕組みを教えてほしいな!

博士
博士

よし、ではまずは加減法がなぜ成り立つのか、天秤のイメージから順に紐解いていくとしよう。

なぜ加減法で式同士を足し引きしていいのか

天秤同士を合体させても釣り合いは崩れない

すくぞう
すくぞう

加減法って、2本の式を筆算みたいに並べて、上から下を足したり引いたりするよね。

そもそも方程式同士を足し算していいの?勝手に足したら別の式になっちゃうんじゃない?

博士
博士

素朴で良い疑問じゃな。

方程式とは「左右がつり合っている天秤」じゃったな。

例えば、つり合っている天秤Aと、同じくつり合っている天秤Bの2つがあるとしよう。

すくぞう
すくぞう

うん、どちらも水平につり合っている天秤だね。

博士
博士

天秤Aの左皿と天秤Bの左皿のものを全部まとめて1つの皿に乗せ、右皿にも天秤Aと天秤Bの右皿のものを全部乗せたら、その天秤はどうなるかの?

すくぞう
すくぞう

あ!左側も右側も、同じ重さ同士を合わせただけだから、絶対に釣り合ったままだ!

博士
博士

その通りじゃ。

数式で書けば、A = B という等式と C = D という等式があるとき、左辺同士・右辺同士を足した A + C = B + D も必ず成り立つ。

これが加減法で式同士を足してよい数学的な根拠じゃ。

すくぞう
すくぞう

なるほど!天秤を合体させてるだけなんだね。

でも、ただ合体させるだけなら文字が増えそうなのに、どうして文字が消えるの?

博士
博士

それは、「係数の絶対値を揃えておく」からじゃよ。

例えば、次のような連立方程式を見てみよう。

\begin{cases} 2x + y = 7 \\ 3x - y = 8 \end{cases}

博士
博士

1本目の式には +y、2本目の式には -y があるの。

この2つの天秤を合体させると、どうなるかの?

すくぞう
すくぞう

+y-y を足したら、0 になって y が消えちゃう!

残るのは 2x + 3x = 5x と、右側の 7 + 8 = 15 だから、5x = 15 になる!

博士
博士

見事じゃ。

5x = 15 になれば、両辺を5で割って x = 3 と求まる。

文字が2つあるから解けなかった方程式が、天秤を合体させて片方の文字を打ち消すことで、中1で習った「文字が1つだけの方程式」に戻せるのじゃよ。

符号ミスを防ぐ引き算の考え方

すくぞう
すくぞう

足し算で消える仕組みはよく分かったよ!

でも、引き算をするときによく符号のミスをしちゃうんだよね。

博士
博士

うむ、加減法での最大のつまずきやすい落とし穴が「式の引き算における符号ミス」じゃな。

例えば、次の連立方程式を考えてみよう。

\begin{cases} 3x + 2y = 12 \\ x + 2y = 8 \end{cases}

博士
博士

どちらも y の係数が +2 で揃っておる。

この y を消すためには、上の式から下の式を引く必要があるの。

すくぞう
すくぞう

上の式から下の式をそのまま引けばいいんだよね。

3x - x = 2x で、2y - 2y = 0、右辺は 12 - 8 = 4 だから 2x = 4 だね。

博士
博士

この例はすべての項がプラスじゃから迷いにくい。

しかし、下の式にマイナスの項が含まれているときに注意が必要じゃ。

例えば、下段が x - 2y = 4 だった場合、引き算をすると 2y - (-2y) となり、符号が反転して 2y + 2y = 4y になってしまう。

すくぞう
すくぞう

あ!マイナスを引くからプラスになるんだ!

ここで引き算の符号を間違えて、うっかり消えたと勘違いしちゃうんだね。

博士
博士

そうじゃ。

これを防ぐ確実な考え方は、「下の式のすべての項の符号を逆にして、足し算として処理する」ことじゃよ。

引き算とは「マイナス1を掛けて足すこと」と同じじゃからな。

すくぞう
すくぞう

なるほど!

「下の式の符号を全部ひっくり返して足す」って意識すれば、符号ミスを減らせそうだね!

博士
博士

その通りじゃ。

では次に、もう1つの重要な解法である「代入法」の仕組みを見ていこう。

なぜ代入法で式をまるごと置き換えられるのか

イコールで結ばれた式は交換チケットになる

すくぞう
すくぞう

代入法って、片方の式をもう片方の式の中にスポッとはめ込む方法だよね。

でも、文字の代わりに長い式をまるごと入れちゃうのって、なんだか不思議な感じがするよ。

博士
博士

方程式における等号(=)の本来の意味を思い出すと、その疑問は自然に解消するのじゃ。

y = 2x + 1 という式があったとする。

この等号は、「y という文字」と「2x + 1 というかたまり」が、まったく同じ重さ・同じ価値であることを表しておる。

すくぞう
すくぞう

あ、同じ価値なんだから、いつでも交換できるってこと?

博士
博士

まさにその通りじゃ。

等号で結ばれた式は、いわば「等価交換のチケット」のようなものじゃな。

y を1枚出すと、代わりに 2x + 1 を受け取れる引換券」と思ってよい。

すくぞう
すくぞう

引換券!それならイメージしやすいよ!

もう1本の式に y が出てきたら、その引換券を使って 2x + 1 に取り替えるんだね。

博士
博士

そうじゃ。例えば、次のような連立方程式があるとするの。

\begin{cases} y = 2x + 1 \\ 3x + y = 11 \end{cases}

博士
博士

2本目の式の y の部分に、引換券である (2x + 1) をそのまま交換して入れるのじゃ。

3x + (2x + 1) = 11

すくぞう
すくぞう

わあ、式の中から y がいなくなって、x だけの式になった!

博士
博士

うむ。カッコを外して計算すれば、次のようになるの。

\begin{aligned} 5x + 1 &= 11 \\ 5x &= 10 \\ x &= 2 \end{aligned}

すくぞう
すくぞう

x = 2 が出たら、最初の引換券の式 y = 2x + 1x = 2 を代入すれば、y = 5 ってすぐ求まるね!

博士
博士

その通りじゃ。

加減法が「天秤を合体させて文字を相殺する」アプローチだとすれば、代入法は「等価交換チケットを使って文字を別の表現に置き換える」アプローチじゃな。

どちらも目指している目的地は同じで、「文字を1つ消して、中1の方程式に戻す」ことなのじゃよ。

加減法と代入法はどう使い分けるべきか

すくぞう
すくぞう

加減法も代入法も、結局は「文字を1つ消す」っていう目的は同じなんだね!

でも、問題を解くときはどっちを使えばいいのかな?

博士
博士

良い問いじゃな。

結論から言えば、どちらの方法を使っても必ず同じ答えにたどり着く。

じゃが、式の形によって「計算が楽になる選び方」があるのじゃ。

すくぞう
すくぞう

計算が楽になる選び方、知りたい!

博士
博士

判断基準はとてもシンプルじゃよ。

1本の式が最初から y = \text{(式)}x = \text{(式)} の形になっているときは、「代入法」が最もスムーズじゃ。

すでに交換チケットが出来上がっておるからのぅ。

すくぞう
すくぞう

たしかに!

そのままもう1本の式に代入するだけでいいもんね。

博士
博士

逆に、2本の式がどちらも ax + by = c のように、xy が左辺に並んでいる形なら、「加減法」が向いておる。

係数を何倍かして揃え、足し引きするだけで文字が消えるからの。

すくぞう
すくぞう

なるほど!

y = \cdotsx = \cdots があれば代入法、文字が左辺に並んでいたら加減法、って見分ければ迷わずに解けそうだね!

博士
博士

その通りじゃ。

では、この2つの解法を実際に使って、問題に挑戦してみよう。

演習問題:加減法と代入法の解法実践

加減法と代入法を使った計算の流れについて確認していきましょう。

問題 1 の解答・解説

y の係数に注目すると、1本目の式が +3、2本目の式が -3 となっており、絶対値が揃っています。

符号が異なるため、2つの式の両辺をそれぞれ足し合わせることで、y を消去します。

1本目の式を (1)、2本目の式を (2) とします。

(1) + (2) より、

\begin{aligned} (2x + 3y) + (4x - 3y) &= 13 + 5 \\ 6x &= 18 \\ x &= 3 \end{aligned}

求めた x = 3 を式 (1) に代入して、y の値を求めます。

\begin{aligned} 2 \times 3 + 3y &= 13 \\ 6 + 3y &= 13 \\ 3y &= 13 - 6 \\ 3y &= 7 \\ y &= \dfrac{7}{3} \end{aligned}

確かめとして式 (2) の左辺に代入すると、

\begin{aligned} 4 \times 3 - 3 \times \dfrac{7}{3} &= 12 - 7 \\ &= 5 \end{aligned}

となり、右辺と一致して成り立ちます。

答:x = 3, y = \dfrac{7}{3}

問題 2 の解答・解説

1本目の式が y = 3x - 2 の形になっているため、2本目の式の y3x - 2 を代入して、y を消去します。

1本目の式を (1)、2本目の式を (2) とします。

式 (1) を式 (2) に代入すると、

\begin{aligned} 2x + (3x - 2) &= 8 \\ 5x - 2 &= 8 \\ 5x &= 8 + 2 \\ 5x &= 10 \\ x &= 2 \end{aligned}

求めた x = 2 を式 (1) に代入して、y の値を求めます。

\begin{aligned} y &= 3 \times 2 - 2 \\ &= 6 - 2 \\ &= 4 \end{aligned}

確かめとして式 (2) の左辺に代入すると、

\begin{aligned} 2 \times 2 + 4 &= 4 + 4 \\ &= 8 \end{aligned}

となり、右辺と一致して成り立ちます。

答:x = 2, y = 4

まとめ:文字消去という代数の共通思想

すくぞう
すくぞう

加減法も代入法も、やってることは「文字を1つ消して、中1の方程式に戻す」ってことだったんだね!

仕組みが分かると、ただ計算作業をやらされている感じがしなくなって面白いよ!

博士
博士

うむ、素晴らしい気づきじゃ。

数学では、未知の難しい問題に出会ったとき、「知っている簡単な問題に変形して解く」というのが最も根本的な戦略なのじゃ。

連立方程式における「文字の消去」は、まさにその代表例じゃよ。

すくぞう
すくぞう

文字が2つあって困るなら、工夫して1つ消しちゃえばいいんだもんね!

でも博士、計算のやり方は分かったけど、文章題になると急に式が作れなくなっちゃう人が多いよね。

博士
博士

そうじゃな。文章題に苦手意識を持つ人は非常に多い。

じゃが、実は未知数が2つ使える連立方程式のほうが、中1の文字が1つだけの方程式よりも、素直に立式できる場合が多いのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

えっ!中1より中2の連立方程式のほうが文章題が素直なの!?

すくぞう
すくぞう

文章題の立式のコツ、早く知りたいな!

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