【中1数学】なぜ数学は文字を使うの?文字と式のルールと掛け算省略の謎

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すくぞう
すくぞう

博士!

中学校に入って数学の教科書を開いたら、式のなかに「x」とか「a」とか、英語のアルファベットがいっぱい出てきてびっくりしたよ!

算数はずっと数字だけの計算だったのに、なんでわざわざ文字なんて使わなきゃいけないの?

博士
博士

ふむ、実に素直で素晴らしい疑問じゃな。小学校から中学校に上がるとき、誰もが最初にぶつかる大きな壁がこの「文字の登場」じゃ。

算数では数字だけで答えを出しておったから、いきなり文字が混ざると何だか難しくなったように感じるの。

じゃが、文字を使う理由と「式の書き方ルール」さえ分かってしまえば、むしろ数字だけよりもずっと便利で楽になるのじゃよ。

今回は文字の秘密を順番に解き明かしていこうかの。

なぜ数学では文字(xやa)を使うのか?算数の「□」との違い

すくぞう
すくぞう

算数でも「3 + \square = 8」みたいに、「\square」を使った計算はやったよ。それじゃダメなの?

博士
博士

良い着眼点じゃな。実は文字も、本質的には算数の「\square」と同じ仲間なのじゃよ。

じゃが、算数の「\square」には 2 つの限界があったのじゃ。

博士
博士

ひとつ目は、「わからない数がいくつも出てきたとき、区別がつかなくなる」という点じゃ。

もし「りんご 2 個とみかん 3 個の代金」を表したいとき、算数だと「2 \times \square + 3 \times \triangle」のように、\square\triangle\bigcirc を使い分けることになるじゃろう?

すくぞう
すくぞう

うーん、記号が増えるとどれがどれだか分からなくなりそう。

博士
博士

そうじゃろう。

しかしアルファベットなら、りんごを a、みかんを b と置けば、いくら種類が増えてもスッキリと区別できるのじゃ。

博士
博士

そしてふたつ目の理由は、「すべての数に成り立つルール(公式)を 1 本の式で書ける」という点じゃ。

例えば、長方形の面積は「たて \times 横」じゃな。

たてが 3\text{ cm} で横が 5\text{ cm} なら 3 \times 5、たてが 4\text{ cm} で横が 7\text{ cm} なら 4 \times 7 じゃ。

じゃが、たてを a、横を b と書けば、どんな数字であっても「面積は a \times b」という 1 本の式で表せるじゃろう。

すくぞう
すくぞう

あ!

文字にしておけば、特定のひとつの計算だけじゃなくて、「すべての数字を代表できる」んだね!

博士
博士

その通りじゃ!

文字には「まだわかっていない数(未知数)」を表す役割と、「どんな数を入れても成り立つルール(変数・一般化)」を表す役割の 2 つがあるのじゃよ。

文字とは、どんな数字でも入れられる「ラベル付きの便利な箱」のようなものなのじゃ。

なぜ掛け算記号「×」を省くのか?文字式の書き方ルール

すくぞう
すくぞう

文字を使う理由は分かったよ。

でも、教科書を見ると「2 \times a」じゃなくて「2a」って書いてあって、掛け算の記号(\times)が消えてるんだよね。

なんで勝手に省いちゃうの?

博士
博士

これには極めて現実的で歴史的な理由があるのじゃ。

アルファベットの「x(エックス)」と、掛け算の「\times」をノートに手書きしたときのことを想像してみるのじゃ。

すくぞう
すくぞう

あ!

形がそっくりで見分けがつかなくなっちゃう!

博士
博士

そうなんじゃよ!

もし「2 \times x」と書いたら、「2 かける エックス」なのか「2 エックス エックス」なのか分からなくなってしまうじゃろう。

昔の数学者たちもノートや黒板で紛らわしくて困り果て、最終的に「文字の掛け算では \times を省いてくっつけて書く」という世界共通の約束を作ったのじゃ。

すくぞう
すくぞう

なるほど!

紛らわしさを防ぐための工夫だったんだね。

博士
博士

そうじゃ。

文字式を書くときは、他にもいくつか大切なルールがあるから整理しておこうかの。

  1. 数字は文字の前に書く
    a \times 2a2 ではなく 2a と書く。
  2. 文字同士はアルファベット順に並べる
    b \times aab と書く。
  3. 数字の「1」は書かずに省略する
    1 \times a1a ではなく a と書く。
    (-1) \times a-1a ではなく -a と書く。
  4. 同じ文字の掛け算は「累乗(指数)」でまとめる
    a \times aaa ではなく a^2 と書く。
    x \times x \times xx^3 と書く。
すくぞう
すくぞう

1a」の 1 を書かないのは、a1 個あるのが見れば分かるからだね!

博士
博士

その通りじゃ。

数学は無駄を削ぎ落としてスッキリ表現する学問じゃからの。

割り算記号「÷」も使わない?分数の形にする理由

すくぞう
すくぞう

掛け算の「\times」が消えるのは分かったけど、割り算の「\div」も使わないって本当?

博士
博士

本当じゃよ。

文字の式では、「a \div 3」のような割り算は、割り算記号を使わずに分数の形で書くのじゃ。

a \div 3 = \dfrac{a}{3}

すくぞう
すくぞう

なんで分数にしちゃうの?

博士
博士

小学校の「分数の割り算」を思い出してみるのじゃ。

割り算はすべて「逆数の掛け算」に直せたじゃろう?

すくぞう
すくぞう

あ!

\div 3」は「\times \dfrac{1}{3}」と同じだ!

博士
博士

そうじゃ!

a \times \dfrac{1}{3} を計算すれば、自然と \dfrac{a}{3} になるじゃろう。

数学の世界では、割り算はすべて分数で表した方が、約分がしやすく、計算ミスを大幅に防げるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

かっこがついている式の場合はどう書くの?

博士
博士

それも同じルールじゃ。掛け算なら数字をかっこの前に書き、割り算ならかっこの中身をまるごと分子に乗せるのじゃよ。

(x + y) \times 5 = 5(x + y)

(a - b) \div 4 = \dfrac{a - b}{4}

すくぞう
すくぞう

なるほど!

分数の横棒(分数線)がかっこの代わりをしてくれているから、分数の形にするとかっこが外れるんだね。

博士
博士

素晴らしい着眼点じゃな!

その通り、分数線には全体を 1 つにまとめるカッコの働きがあるのじゃよ。

言葉を式にする実践!代金やおつりを文字で表してみよう

すくぞう
すくぞう

ルールの意味は分かったけど、文章題から文字の式を作るのが難しそうだなあ。

博士
博士

難しく考える必要はないのじゃ。

まずは「具体的な数字」を頭に思い浮かべて、その数字をそのまま文字に置き換えるのが確実なコツじゃよ。

例えば次のような問題を考えてみるかの。

1x 円のえんぴつを 5 本買ったときの代金」

すくぞう
すくぞう

もしえんぴつが 1100 円なら、100 \times 5 = 500 円だよね。

ということは、100 の代わりに x を入れればいいから、x \times 5 になる!

文字式のルールで数字を前にして \times を省くから、5x\text{ 円} だ!

博士
博士

見事じゃ!

では、次はおつりの問題を考えてみるのじゃ。

1000 円を出して、1x 円のえんぴつを 5 本買ったときのおつり」

すくぞう
すくぞう

おつりは「出したお金 - 代金」だから、さっきの代金 5x 円を 1000 円から引けばいいんだね。

式は 1000 - 5x になるよ!

博士
博士

大正解じゃ!

このとき、もし答えに単位をつける場合は、次のように式全体をかっこで囲むのが教科書での一般的な書き方なのじゃよ。

(1000 - 5x)\text{ 円}

すくぞう
すくぞう

どうしてかっこが必要なの?

博士
博士

もしカッコをつけずに「1000 - 5x\text{ 円}」と書いてしまうと、後ろの「5x」だけに「円」がついているように見えてしまうからの。

1000 - 5x」という式全体でひとつの金額を表しておるから、全体をかっこで囲んでから単位をつけるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

なるほど!

単位をつけるときは式全体をひとまとまりにするんだね。

じゃあ、式じゃなくて「1000 - 5x\text{ (円)}」みたいに、単位の方にカッコをつけるのはダメなの?

博士
博士

ふむ、普段の買い物メモや個人のノートなら、そう書いても意味は十分に通じるのぅ。

じゃが、中学校の教科書では「1000 - 5x」という式全体がひとまとまりの数量であることを明確にするため、式の方をかっこで囲む書き方が標準になっておるのじゃ。

ちなみに、最近のテストでは解答用紙にあらかじめ「円」と印刷されていて、枠内には式だけを書く形式も多いのじゃよ。もし自分で単位を書く問題に出会ったら、教科書に合わせて式の方をかっこで囲んでおくと安心じゃな。

すくぞう
すくぞう

なるほど!解答用紙をよく見て、自分で単位を書くときは式をかっこで囲むようにするね!

演習問題:文字式の表し方と立式

すくぞう
すくぞう

ここまでのルールを、実際の演習問題で確認してみよう。

問題 1 の解答・解説

文字式の基本ルール(掛け算記号の省略、数字を前、分数の使用、累乗の表記)を適用して整理する。

(1)

掛け算の記号 \times を省き、数字の -4 を文字の前に配置する。

x \times (-4) = -4x

(2)

割り算記号 \div を使わず、割る数 7 を分母にした分数で表す。

a \div 7 = \dfrac{a}{7}

(3)

同じ文字 y3 回掛け合わされているため、指数の表記(累乗)を用いてまとめる。

y \times y \times y = y^3

答:(1) -4x (2) \dfrac{a}{7} (3) y^3

問題 2 の解答・解説

カッコを含む式や、複数の演算が混ざった式を順番にルールに沿って変換する。

(1)

式全体を 3 で割っているため、割る数 3 を分母とし、かっこの中身 a + b を分子に乗せる。分数線がかっこの役割を果たすため、かっこは不要となる。

(a + b) \div 3 = \dfrac{a + b}{3}

(2)

前半の掛け算 x \times 2\times を省いて数字を前に出し 2x と表す。

後半の割り算 y \div 5 は分数にして \dfrac{y}{5} と表す。

これらを引き算で結ぶ。

x \times 2 - y \div 5 = 2x - \dfrac{y}{5}

答:(1) \dfrac{a + b}{3} (2) 2x - \dfrac{y}{5}

問題 3 の解答・解説

リンゴ 4 個の代金、ミカン 6 個の代金を文字式で表し、出した金額 2000 円からそれらの代金を引いておつりを立式する。

リンゴ 4 個の代金:

a \times 4 = 4a

ミカン 6 個の代金:

b \times 6 = 6b

代金の合計:

4a + 6b

2000 円を出したときのおつりは、出した金額から代金の合計を引いて表す。

2000 - (4a + 6b)

かっこを外して整理すると、次のようになる。

2000 - 4a - 6b

答:(2000 - 4a - 6b)\text{ 円}(または \{2000 - (4a + 6b)\}\text{ 円}

まとめ:文字が使えるとすべての数を1本の式で表せる

すくぞう
すくぞう

博士、ありがとう!

最初教科書でアルファベットを見たときは嫌気がさしたけど、掛け算の「\times」とエックスが紛らわしいから省いたとか、理由を聞いたらすごく納得できたよ。

博士
博士

うむ。

文字は決して難しいものではなく、人間が思考をスッキリ整理して、どんな数字にでも当てはまるルールを美しく表現するために生み出した道具なのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

書き方のルールも分かったし、これなら文字が出てきても怖くないや!

博士
博士

頼もしいの。

文字の式の書き方をマスターしたら、次は「文字同士の足し算や引き算の計算」に進むのじゃ。

例えば「a + a = 2a」のような文字の計算はどうやって行うのか、次回はその仕組みを詳しく見ていくとしようかの。

すくぞう
すくぞう

うん!

文字の計算も楽しみだな!

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