【中1数学】なぜ移項すると符号が変わるのか?等式の性質と解き方の原理

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すくぞう
すくぞう

博士!前回教えてもらった文字の計算(a + a = 2a)はバッチリできるようになったよ!

でも、次に教科書を開いたら「方程式」っていうのが出てきてさ。

先生が「イコール(=)の反対側に数字を引っ越す(移項する)ときは、プラスをマイナスに、マイナスをプラスに変えます」って言うんだ。

なんで引っ越すだけで勝手に符号が変わっちゃうの?なんだか理不尽なルールに思えるんだけど!

博士
博士

ふむ、文字式から方程式に進んだとき、誰もが真っ先にぶつかる大きな違和感じゃな。

「イコールを越えたら符号を変える」と呪文のように暗記させられると、まるで数学の勝手な押し付けのように感じてしまうの。

じゃが、移項で符号が変わるのは、決して勝手なルールではないのじゃよ。

イコールが持つ本来の意味である「天秤のつり合い」さえ分かれば、なぜ符号が変わるように見えるのか、その理由が自然と見えてくるはずじゃ。

今回も基本の原理から順番に紐解いていこうかの。

なぜ引っ越すと符号が変わる?移項の正体は「天秤のつり合い」

すくぞう
すくぞう

天秤のつり合い?

イコールって、ただの「答えはこれです」っていう記号じゃないの?

博士
博士

そこが最初の重要なポイントじゃ!

小学校の算数では「1 + 2 = 3」のように、計算結果を右に書くための矢印のようにイコールを見ていたかもしれん。

じゃが、数学におけるイコール(=)の本当の意味は、「左側(左辺)と右側(右辺)の大きさが全く同じで、釣り合っている」ということなのじゃ。

イコール(=)は「つり合った天秤」

    博士
    博士

    左右のお皿に物が乗っていて、ピッタリ水平につり合っている天秤を思い浮かべてみるのじゃ。

    この天秤がつり合っているとき、釣り合いを崩さないために許される操作は何じゃと思う?

    すくぞう
    すくぞう

    えーっと、両方のお皿に「同じ重さ」を乗せたり、両方のお皿から「同じ重さ」を下ろしたりすれば、天秤はつり合ったままだよね!

    博士
    博士

    その通りじゃ!それこそが、数学で「等式の性質」と呼ばれる大原則なのじゃよ。

    両辺に同じ数を足しても、両辺から同じ数を引いても、つり合いは絶対に崩れないのじゃ。

    A = B \text{ ならば } A + C = B + C

    A = B \text{ ならば } A - C = B - C

    「両辺から同じ数を引く」と移項に見える

    すくぞう
    すくぞう

    天秤がつり合ったままでいられるのは分かったよ。

    でも、それがどうして「移項すると符号が変わる」ことに繋がるの?

    博士
    博士

    では、具体的な方程式で天秤を動かしてみようかの。

    次の式を見てみるのじゃ。

    x + 3 = 7

    すくぞう
    すくぞう

    左の皿に「正体不明の重り x」と「3\text{ g} の重り」が乗っていて、右の皿に「7\text{ g} の重り」が乗ってつり合っている状態だね。

    博士
    博士

    そうじゃ。方程式を解くというのは、最終的に「x = \text{数字}」の形にして、x の正体を突き止めることじゃ。

    そのためには、左のお皿にある「+3」が邪魔じゃな。

    この 3 を消すにはどうすればよいかの?

    すくぞう
    すくぞう

    左の皿から 3 を取っちゃえばいい!

    あ、でも左だけ取ったら天秤が傾いちゃうから、右の皿からも 3 を取らなきゃダメだ!

    博士
    博士

    素晴らしい!その通りじゃ!天秤をつり合わせたまま左の 3 を消すには、「両辺から 3 を引く」必要があるのじゃ。

    x + 3 - 3 = 7 - 3

    博士
    博士

    すると、左辺は +3 - 3 = 0 になって x だけが残る。

    そして右辺には、新しく「-3」が計算として残るじゃろう。

    x = 7 - 3

    x = 4

    すくぞう
    すくぞう

    あ!!

    最初の式「x + 3 = 7」と、途中の式「x = 7 - 3」を見比べると……

    まるで左にあった「+3」が右側に引っ越して、「-3」に変わったように見える!

    博士
    博士

    その通りなんじゃよ!

    本当は「両辺から同じ 3 を引いた」だけなのじゃが、毎回「両辺から 3 を引いて……」と書くのは手間がかかるじゃろう?

    だから人間は、途中の計算を省略して「左の数を符号を変えて右に移す(移項する)」という便利な解き方として扱うようになったのじゃ。

    すくぞう
    すくぞう

    なんだ、そういうことだったのか!

    勝手に符号が変わるわけじゃなくて、「両辺から同じ数を引いたから、反対側にマイナスが現れた」だけなんだね!

    足し引きと掛け算をごちゃ混ぜにしない!2x=6で符号が変わらない理由

    すくぞう
    すくぞう

    移項の仕組みが分かって安心したよ!

    でもね、もうひとつ混乱してるところがあるんだ。

    2x = 6」のときは、なんで「x = 6 - 2」にならないの?

    2 を右に持っていくのに、なんで符号が変わらないで「x = 6 \div 2」になるの?

    博士
    博士

    これも非常に多くの人がつまずくポイントじゃな。

    「足されている数を消す操作」と、「掛けられている数を 1 にする操作」をごちゃ混ぜにしてしまっておるのじゃ。

    xの前の数字を消すときは「両辺を割る」

    博士
    博士

    2x = 6」という天秤の状態を言葉で表してみるのじゃ。

    前回の記事で学んだ通り、2x は「x2 個」という意味じゃったな。

    つまり、左のお皿に「同じ重り x2 個」乗っていて、右のお皿に「6\text{ kg}」が乗っておるのじゃ。

    すくぞう
    すくぞう

    重り x2 個で 6\text{ kg} ってことだね。

    博士
    博士

    そうじゃ。では、重り x1 個分」の重さを知るには、お皿の重さをどうすればよいかの?引けば求まるかの?

    すくぞう
    すくぞう

    引くんじゃなくて、半分に分ければいいよ!

    6\text{ kg} を半分(2 等分)にするから、6 \div 2 = 3\text{ kg} だ!

    博士
    博士

    大正解じゃ!天秤の左右をそれぞれ半分(\div 2)にすれば、つり合いを保ったまま x1 個分の重さになるじゃろう。

    \dfrac{2x}{2} = \dfrac{6}{2}

    x = 3

    「足されている数を消す」のと「掛けられている数を1にする」の違い

    博士
    博士

    整理すると、方程式で天秤を操作するときは、次の 2 つを明確に使い分ける必要があるのじゃ。

    1. 足し算・引き算でくっついている数字を消すとき(移項)
      両辺に同じ数を足し引きする。結果として符号が逆になる。
      例:x + 2 = 6 \implies x = 6 - 2 = 4
    2. 文字の前に掛け算でくっついている数字(係数)を 1 にするとき(割り算)
      両辺を同じ数字で割る。符号は変わらない。
      例:2x = 6 \implies x = \dfrac{6}{2} = 3
    すくぞう
    すくぞう

    なるほど!

    「足されている 2」を消すときは引くから -2 になるけど、

    「掛けられている 2」を 1 にするときは割るから、引き算のマイナスにはならないんだね!

    一次方程式を解く3ステップの手順

    すくぞう
    すくぞう

    理屈はスッキリ分かったよ!

    でも、問題によって数字や文字があちこちに出てくると、どこから手をつけていいか迷っちゃいそうだな。

    博士
    博士

    どんなに式が長くなっても、やるべき手順は決まっておるのじゃ。

    一次方程式は、次の 3 つのステップの順に進めれば確実に解けるぞ。

    ステップ1:文字は左、数字は右へ移項する

    博士
    博士

    まずは仕分けじゃ。

    「文字がついている項」はすべて左辺へ集め、「数字だけの項」はすべて右辺へ集めるのじゃ。

    このとき、イコールをまたいで移動する項だけ、符号をひっくり返す(移項する)のじゃよ。

    ステップ2:同類項をまとめて簡単にする

    博士
    博士

    仕分けが終わったら、左辺と右辺をそれぞれ計算してまとめるのじゃ。

    ここで使うのが、まさに前回学んだ「文字式の計算(同類項をまとめる)」じゃ!

    左辺を計算して ax、右辺を計算して数字の b の形、つまり「ax = b」というシンプルな形に整理するのじゃ。

    ステップ3:xの係数で両辺を割る

    博士
    博士

    最後に、x の前についている数字(係数 a)で両辺を割るのじゃ。

    これで「x = \text{答え}」が求まるぞ。

    もし x の係数が負の数(マイナス)なら、マイナスの数字のまま両辺を割る点にだけ注意するのじゃ。

    すくぞう
    すくぞう

    文字は左、数字は右に移項して、前回の同類項計算でまとめて、最後に係数で割る!

    この順番でやれば迷わずに解けそう!

    ノートの書き方で差がつく!イコールは横に繋げず「下に揃えて」書く

    すくぞう
    すくぞう

    博士、手順は分かったよ!

    ノートの余白に「3x - 4 = 11 = 3x = 15 = x = 5」って書いておけば一行に収まるね!

    博士
    博士

    これこれ!待つのじゃすくぞう!

    その書き方こそが、中学生が方程式でやってしまいがちな深刻な落とし穴じゃ!

    すくぞう
    すくぞう

    えっ!?計算の答えは x = 5 で合ってるのに、何がいけないの?一行で書いた方がノートの節約にもなるじゃん!

    博士
    博士

    計算結果が合っていても、その式の書き方は数学的に完全に間違いなのじゃよ。

    イコールを横に繋げてしまうと、式の意味がどうなってしまうか見てみるのじゃ。

    すくぞうの書いた式には、途中に「11 = 3x」という部分があるじゃろう?

    113x は等しいかの?

    すくぞう
    すくぞう

    あ……!x = 5 だから、3x15 だ!

    11 = 15 になっちゃってる!?

    博士
    博士

    そうなんじゃよ!

    小学校の計算ドリルのクセで、計算した順にイコールを右へ右へと横に繋げてしまう人が多いのじゃが、イコールは「次の計算へ進む矢印」ではないのじゃ。

    最初にも言った通り、イコールは「左右の皿がつり合っている天秤」じゃ。

    横にイコールを何個も繋げると、全然つり合っていないもの同士をイコールで結ぶ大事故になってしまうのじゃよ。

    すくぞう
    すくぞう

    うわあ、本当だ……。答えは合ってても、式としてはデタラメを書いちゃってたんだね。

    じゃあ、ノートにはどう書けばいいの?

    博士
    博士

    方程式は、一行にイコールをひとつだけ使い、「下に改行してイコールを縦に揃えて書く」のが絶対の鉄則じゃ。

    \begin{aligned} 3x - 4 &= 11 \\ 3x &= 11 + 4 \\ 3x &= 15 \\ x &= 5 \end{aligned}

    博士
    博士

    このように、上から下へと天秤の状態を順番に記録していくのじゃ。

    イコールの位置をノートのマス目で縦にピシッと揃えて書くと、左のお皿と右のお皿のバランスがひと目で分かり、移項の符号ミスや計算ミスも大幅に減るのじゃよ。

    すくぞう
    すくぞう

    なるほど!イコールを縦に揃えると、天秤のお皿がずっと左右に見えるから、何が移動したのかすごく分かりやすいね!

    これからは横に繋げないで、必ず下に改行してイコールを揃えて書くようにするよ!

    演習問題:一次方程式の計算

    ここまでに学んだ天秤の原理と3ステップの手順を使って、実際に問題を解いてみましょう。

    問題 1 の解答・解説

    移項の符号変化、および両辺を割る基本計算を確認する。

    (1)

    左辺の +5 を右辺へ移項する。符号がマイナスに変わる。

    x = 12 - 5

    x = 7

    (2)

    左辺の -8 を右辺へ移項する。符号がプラスに変わる。

    x = -3 + 8

    x = 5

    (3)

    掛けられている 4 を消すため、両辺を 4 で割る。移項ではないため符号は変わらない。

    x = \dfrac{-20}{4}

    x = -5

    答:(1) x = 7 (2) x = 5 (3) x = -5

    問題 2 の解答・解説

    移項して同類項をまとめ、最後に係数で割る手順を適用する。

    (1)

    数字の -4 を右辺へ移項する。

    3x = 11 + 4

    3x = 15

    両辺を 3 で割る。

    x = 5

    (2)

    文字の項 2x を左辺へ、数字の項 +7 を右辺へそれぞれ移項する。イコールをまたぐ項は符号が変わる。

    5x - 2x = -8 - 7

    両辺の同類項をまとめる。

    3x = -15

    両辺を 3 で割る。

    x = -5

    答:(1) x = 5 (2) x = -5

    問題 3 の解答・解説

    かっこがある方程式は、まず分配法則を使ってかっこを外してから、基本の3ステップで解く。

    左辺のかっこを展開する。

    3x - 6 = 5x + 4

    文字の項を左辺へ、数字の項を右辺へ移項する。

    3x - 5x = 4 + 6

    両辺をそれぞれまとめる。

    -2x = 10

    両辺を x の係数である -2 で割る。負の数で割るため符号が変わる。

    x = \dfrac{10}{-2}

    x = -5

    答:x = -5

    まとめ:移項は「両辺に同じ計算をした省略形」にすぎない

    すくぞう
    すくぞう

    博士、ありがとう!

    移項すると符号が変わる理由が、「天秤をつり合わせたまま邪魔な数を引いた結果」だって分かって、すごく納得がいったよ!

    「なんで勝手に変わるの?」っていう疑問が晴れて、自信を持って計算できるようになったよ。

    博士
    博士

    うむ、原理を納得して解くのと、ただ丸暗記して解くのとでは、これからの定着がまるで違うからの。

    方程式とは、「つり合っている天秤から、いらないものを両側から下ろしていって、最後に残った重りの正体を見つけるゲーム」のようなものじゃ。

    すくぞう
    すくぞう

    そう考えると、天秤のパズルを解いているみたいで面白いね!

    博士
    博士

    その調子じゃ!

    計算の手順が身についたら、次はいよいよ「文章題」に挑戦するのじゃ。

    「何を x と置けばいいのか」「どうやって文章からイコールの式を作るのか」という、文章題のコツを次回は一緒に見ていくとしようかの。

    すくぞう
    すくぞう

    文章題は苦手な人が多いって聞くから、しっかり教えてほしいな!次回もよろしくね!

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