【平方根】なぜルートが必要?平方根とルート記号の決定的な違い

スポンサーリンク
すくぞう
すくぞう

博士!

中3の展開や因数分解までは順調だったんだけど、次のページを開いたら急に「√」っていう変な記号が出てきて困ってるんだ。

博士
博士

ほぅ、根号(ルート)の登場じゃな。

中学数学の代数において、数の世界が大きく広がる大切な関門じゃよ。

すくぞう
すくぞう

2乗して4になる数なら 2 ってすぐ分かるのに、2乗して2になる数って何なの?

それに、教科書に書いてある「平方根」と「ルート」って、何が違うのかサッパリ分からないよ。

博士
博士

ほぅ、実に良い着眼点じゃな。そここそが多くの人が最初につまずく疑問なんじゃよ。

じゃが、ルートは決して抽象的な記号ではなく、ある「身近な図形の長さ」を書き表すために作られた専用の記号(名前)なんじゃ。

すくぞう
すくぞう

身近な図形の長さ?

ルートって計算の記号じゃないの?

博士
博士

うむ。

まずは「平方根」という言葉が持つ本来の意味から順番に紐解いていこうかの。

平方根とは何か

二乗してその数になる「もとの数」

博士
博士

すくぞう、「平方」という言葉は聞いたことがあるかの?

すくぞう
すくぞう

平方メートルとかの「平方」だよね。

たしか2乗することだったかな。

博士
博士

その通りじゃ。

「平方」とは2乗のこと。「根(こん)」とは草木の根っこのように「もとになるもの」を意味するのじゃ。

すくぞう
すくぞう

ということは、平方根って「2乗する前のもとの数」っていう意味なんだね!

博士
博士

見事な理解じゃ。

例えば、2乗して9になる数を考えてみるのじゃ。

もとの数は何じゃろう?

すくぞう
すくぞう

3を2乗すると9になるから、3だね!

博士
博士

そうじゃな。数式で書けば次のようになる。

3^2 = 9

博士
博士

だから、9の平方根の1つは 3 ということになるのじゃ。

正の数にはプラスとマイナスの2つがある

すくぞう
すくぞう

「1つは」って言った?

ほかにもあるの?

博士
博士

中1で学んだ「負の数の掛け算」を思い出してみるのじゃ。

マイナスの数を2乗するとどうなるかの?

すくぞう
すくぞう

あ!マイナス掛けるマイナスはプラスになるから、-3 を2乗しても……

(-3)^2 = 9

本当だ!9になる!じゃあ -3 も9の平方根なんだね。

博士
博士

その通りじゃよ。正の数の平方根を考えるときは、プラスとマイナスの2つが必ずペアで存在するのじゃ。まとめて次のように書くことも多いの。

\pm 3

すくぞう
すくぞう

プラスマイナス3って読むんだよね。

2乗すると符号がプラスに変わるから、もとの数は2つあるんだ。

博士
博士

良いところに気がついたの。

ただし、0の平方根だけは例外じゃ。2乗して0になる数は 0 の1つしかないからの。

すくぞう
すくぞう

マイナス0はないもんね。

じゃあ、負の数の平方根はあるのかな?

例えば -9 の平方根とか。

博士
博士

鋭い着眼点じゃな。

同じ数を2回掛けてマイナスになる数は、中学校で学ぶ数の範囲には存在しないのじゃ。だから「負の数の平方根はない」と覚えておけばよいぞい。

すくぞう
すくぞう

なるほど。

正の数の平方根はプラスとマイナスの2つ。0の平方根は0だけ。負の数の平方根はない。頭の中で整理できたよ!

なぜルートという新しい記号が必要なのか

正方形の対角線に現れる「表せない長さ」

すくぞう
すくぞう

でも博士、ここまでは普通の数字だけで説明できるよね。

なんでわざわざ「√」なんて記号を持ち出してきたの?

博士
博士

そこがまさに数学の歴史の大きな転換点なんじゃ。

すくぞう、目の前に1辺が 1 cm の正方形を描いてみるのじゃ。

すくぞう
すくぞう

ノートに描いたよ。

1辺が 1 cm の小さな正方形だね。

博士
博士

では、その正方形の向かい合う角を結んで、対角線を1本引いてごらん。

すくぞう
すくぞう

引いたよ。

綺麗な斜めの線ができたけど、これがどうかしたの?

博士
博士

その対角線の長さは、定規をあてれば間違いなく目の前に「実在する長さ」じゃな。

では、その長さは何 cm じゃろうか?

すくぞう
すくぞう

えっ?何 cm かな……

1 cm よりは明らかに長いけど、2 cm まではいかないね。1点何 cm くらい?

博士
博士

その対角線を1辺とする「新しい正方形」を作ってみると、その正体がはっきりするのじゃ。

すくぞう
すくぞう

対角線を1辺にする正方形?

博士
博士

もとの正方形を対角線で半分に切ると、直角二等辺三角形が2つできるじゃろ。

対角線を1辺とする正方形は、その直角二等辺三角形を4枚集めて外側に貼り合わせた形になるのじゃ。

すくぞう
すくぞう

あ、イメージできた!

もとの正方形が2枚分合体した形になるんだ!

博士
博士

そうじゃ。

もとの正方形の面積は 1 \times 1 = 1 じゃから、その2倍の正方形の面積はいくつになるかの?

すくぞう
すくぞう

面積は 2 だよ!

博士
博士

ということは、その対角線の長さとは「2乗すると面積 2 になる長さ」ということになる。

すくぞう
すくぞう

2乗して2になる数……?

ええと、1 \times 1 = 1 だし、2 \times 2 = 4 だから、1と2の間だよね。

1.4 \times 1.4 = 1.96 だから、1.4よりちょっと大きいくらい?

博士
博士

実に素晴らしい計算じゃ。

しかし、小数をいくら細かく計算していっても、1.41421356\dots と数字が無限に不規則に続き、分数(整数分の整数)でも絶対に正確に表すことができないのじゃ。

すくぞう
すくぞう

分数でも表せないの?

定規で目の前に引けている線の長さなのに?

博士
博士

さらに面白い図形をお見せしよう。

この「2乗して2になる斜辺」に対して、直角にもう1本、長さ 1 の線を垂直に立てて新しい直角三角形を作るのじゃ。

すくぞう
すくぞう

斜め線から直角に 1 伸ばすんだね。

博士
博士

その新しい直角三角形の斜辺は、2乗すると 2 + 1 = 3 になり、「2乗して3になる長さ」が現れる。

すくぞう
すくぞう

うわぁ、今度は2乗して3になる線ができた!

博士
博士

さらにその線に直角に長さ 1 を立てると、2乗して 3 + 1 = 4 となる長さ、つまり「ちょうど長さ 2」の線に戻ってくるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

直角に 1 を建て増していくと、2乗して2、3、4、5……になる長さが階段みたいにどんどん作れちゃうんだ!

博士
博士

その通りじゃ。

身近な図形の中に、「現実に定規で描ける長さなのに、これまでの普通の数字(整数や分数)ではどうしても書き表せない長さ」が無数に眠っておるのじゃよ。

表せない数を書き表すための専用の名前

すくぞう
すくぞう

でも、分数でも小数でも正確に書けないなら、その長さを友達や先生に伝えたいとき、どうすればいいの?

博士
博士

それこそが、昔の数学者たちが直面した大きな壁じゃった。「書き表せないけれど、確かにそこにある数」をどう扱うか。

すくぞう
すくぞう

どうしたの?

諦めたの?

博士
博士

諦めるどころか、全く新しい方法を生み出したのじゃ。

「書き表せないなら、専用の新しい名前(記号)をつけて呼ぶことにしよう」と決めたのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

名前をつけちゃったんだ!

博士
博士

そう。「根(root)」の頭文字である r を変形させて作られたのが、根号「√(ルート)」という記号じゃ。

\sqrt{2}

これは、「2乗すると2になる正の数」につけた専用の名前なんじゃよ。

すくぞう
すくぞう

「1.4142…」って無限に書く代わりに、「√2」っていうひとつの名前で呼ぶことにしたんだね!

博士
博士

その通りじゃ。

「表せないから困った」ではなく、「表すための新しい道具を作った」というのがルート記号の正体なんじゃよ。

平方根とルートの決定的な違い

平方根は2つありルート記号は正の方を表す

すくぞう
すくぞう

博士、ルートの仕組みはわかったけど、学校のテストで「平方根を求めよ」と「√の値を求めよ」が混ざって、みんな大混乱するんだ。

博士
博士

ここが全国の中学生が最初につまずく、最大の落とし穴じゃな。

しかし、違いはいたってシンプルなんじゃよ。

すくぞう
すくぞう

どう違うの?

博士
博士

「平方根」とは問いかけの言葉じゃ。

「2乗してその数になるものは何と何?」という質問なんじゃよ。

すくぞう
すくぞう

さっきやったね。9の平方根なら、プラスとマイナスの2つあるから \pm 3 だ。

博士
博士

そうじゃ。それに対して、ルート記号「√」は「特定の1つの数値」を指す記号なんじゃ。世界共通のルールとして、次のように約束されておる。

\sqrt{a}

(a の平方根のうち「正の方」を表す記号)

すくぞう
すくぞう

えっ!

ルート記号って、正の方だけを指す約束なの?

博士
博士

そうなんじゃよ。もし負の方を表したいときは、記号の前にマイナスをつけて次のように書く約束になっておる。

-\sqrt{a}

(a の平方根のうち「負の方」を表す記号)

すくぞう
すくぞう

あ、そうか!「±√a」って書くのは、プラスの「√a」とマイナスの「-√a」を2つ並べて書いていたんだね!

ルート4がプラスマイナス2にならない理由

博士
博士

ではすくぞう、この問題を考えてみるのじゃ。多くの人が間違える問題じゃよ。

\sqrt{4}

この値はいくつになるかの?

すくぞう
すくぞう

ええと……2乗して4になる数だから、\pm 2 かな?

博士
博士

そこに罠があるのじゃ!

今言った約束を思い出してみるのじゃ。「√」という記号そのものは、正と負のどちらを表す記号じゃったかの?

すくぞう
すくぞう

あ!

「√」は正の方を表す記号だった!

博士
博士

その通りじゃ。だから \sqrt{4} は、「4の平方根のうち、プラスの方」という意味になるのじゃよ。

\sqrt{4} = 2

すくぞう
すくぞう

\pm 2 にしちゃダメなんだ!

2 だけが正解なんだね。

博士
博士

そうじゃ。

もし答えを -2 にしたいなら、問題が最初から -\sqrt{4} と書かれていなければならん。2つの違いを表にして整理しておこう。

問いかけの形意味答え
4の平方根2乗して4になる数は何?\pm 2(2つある)
\sqrt{4}4の平方根のうちプラスの方2(正の数1つ)
-\sqrt{4}4の平方根のうちマイナスの方-2(負の数1つ)
すくぞう
すくぞう

これ、すごく分かりやすい!

言葉で「〜の平方根」って聞かれたらプラスマイナスの2つを答える。

記号で「√」って書かれていたらプラスの数1つだけを答えるんだね!

博士
博士

その見分け方が頭に入っていれば、もうテストで符号に迷うことはないぞい。

演習問題

平方根の考え方とルート記号の意味について、実際に問題を解いて確認していきましょう。

問題 1 の解答・解説

正の数の平方根は、2乗するとその数になる数であり、正と負の2つが存在します。

(1)

5^2 = 25 かつ (-5)^2 = 25 であるため、2乗して25になる数は 5 と -5 です。

答え:\pm 5

(2)

小数であっても考え方は同様です。

0.7^2 = 0.49 かつ (-0.7)^2 = 0.49 であるため、2乗して0.49になる数は 0.7 と -0.7 です。

答え:\pm 0.7

(3)

2乗して0になる数は 0 のみです。0には正負の符号がありません。

答え:0

問題 2 の解答・解説

根号 \sqrt{\phantom{a}} は正の平方根を表す記号であり、根号の中身が整数の2乗になっている場合は根号を外して表すことができます。

(1)

2乗して7になる数は有理数(整数や分数)の範囲には存在しないため、根号を用いて表します。正の数であるため、正の根号を用います。

答え:\sqrt{7}

(2)

\sqrt{36} は「36の平方根のうち正の方」を表します。

6^2 = 36 より、根号を外すと 6 となります。

答え:6

(3)

-\sqrt{\dfrac{9}{16}} は、「\dfrac{9}{16} の平方根のうち負の方」を表します。

\left(\dfrac{3}{4}\right)^2 = \dfrac{9}{16} より、根号を外してマイナスを付けます。

答え:-\dfrac{3}{4}

問題 3 の解答・解説

言葉の定義および記号の約束の違いに基づき記述します。

「81の平方根」とは、2乗して81になる数そのものを指すため、正と負の両方が含まれます。

一方、「\sqrt{81}」は、81の平方根のうち「正の方」のみを指す記号です。

それぞれの値は次の通りです。

81の平方根の値:\pm 9

\sqrt{81} の値:9

まとめ

すくぞう
すくぞう

博士、ありがとう!

平方根とルートの正体が本当によく分かったよ。

博士
博士

それは良かったのぅ。

今回の最も大切な要点を振り返っておこうかの。

すくぞう
すくぞう

1つ目は、平方根は「2乗する前のもとの数」で、正の数にはプラスとマイナスの2つがあること。

2つ目は、正方形の対角線のように、定規で引けるのに普通の数字で表せない長さがあって、それを表すために「√」という新しい専用の名前(記号)を作ったこと。

3つ目は、「平方根」は2つある数を尋ねる言葉で、「√」は正の方だけを指す記号だから、\sqrt{4} = 2 になること!

博士
博士

見事なまとめじゃよ。

次回は、このルートという新しい数が「具体的にどれくらいの大きさなのか」を不等式で挟み撃ちにして確かめる方法を見ていくのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

ルートの大きさを測るんだね!

次のステップも楽しみだな!

コメント