【平方根】なぜルート同士は足せない?分母の有理化が必要な理由

スポンサーリンク
すくぞう
すくぞう

博士、前回の掛け算と a\sqrt{b} への変形、しっかり復習したよ!

博士
博士

ほぅ、頼もしいのぅ。

a\sqrt{b} に直せるようになると、ルートの扱いが一段と身軽になったじゃろう。

すくぞう
すくぞう

うん!中身の2乗を外に出して数字を小さくできるのが面白かったよ。

でもね、前回復習したときに博士が「これは足し算をするための準備じゃ」って言ってたのがずっと気になってるんだ。

博士
博士

良い着眼点じゃな。

いよいよルートの足し算と引き算に踏み込む時が来たようじゃの。

すくぞう
すくぞう

掛け算のときは中身同士を掛けて \sqrt{2} \times \sqrt{3} = \sqrt{6} にできたよね。

じゃあ、足し算の \sqrt{2} + \sqrt{3} はどうして中身を足して \sqrt{5} にしちゃいけないのかな?

博士
博士

ふむ、多くの人が最初につまずく素朴な疑問じゃな。

そしてもう一つ、学校の授業で必ず「分母にルートを残してはならん」と言われて戸惑わなかったかの?

すくぞう
すくぞう

そうなんだよ!分数で分母にルートがあると、先生に「有理化しなさい」って言われちゃうんだ。

分母にルートがあったら何が困るのかな?

博士
博士

素晴らしい問いじゃ。

実は、ルートが足せない理由も、分母にルートを残してはいけない理由も、根っこでは数学の美しい仕組みと繋がっておるのじゃよ。

ルートの足し算と文字式の共通点

なぜ中身同士を足してはいけないのか

すくぞう
すくぞう

まずは足し算から教えてほしいな。

どうして中身を足して \sqrt{2+3} = \sqrt{5} にしちゃダメなの?

博士
博士

前回の近似値の感覚を思い出してみるのじゃ。

\sqrt{2}\sqrt{3} は、それぞれ大体どれくらいの大きさじゃったかの?

すくぞう
すくぞう

\sqrt{2} は「ひとよひとよに…」だから約 1.414 で、\sqrt{3} は「ひとなみにおごれや…」だから約 1.732 だよね。

博士
博士

その通りじゃ。

では、その2つを実際に足してみるとどうなるかの?

すくぞう
すくぞう

筆算してみると、

\begin{aligned} 1.414 + 1.732 &= 3.146 \end{aligned}

だね。およそ 3.146 になるよ。

博士
博士

うむ。では、もし中身を足して \sqrt{5} になるとしたら、\sqrt{5} の大きさはどれくらいじゃったかの?

すくぞう
すくぞう

\sqrt{5} は「ふじさんろく…」だから約 2.236 だよ。

……あ!全然違う!

3.146 と 2.236 だから、数字がまったく合わない!

博士
博士

そうなんじゃよ。

もし中身を足してよいと認めてしまうと、3 を超える数が 2.236 と等しいという、数のつじつまが合わない事態が起きてしまうのじゃ。

すくぞう
すくぞう

本当だ、数字のつじつまが完全に崩れちゃうんだね。

博士
博士

算数や数学には「単位が違うものは足し算できない」という大原則があるじゃろう。

2メートルと3キログラムを足して5にはできんのと同じじゃ。

すくぞう
すくぞう

\sqrt{2}\sqrt{3} も、基準となる大きさが違うから、そのまま足し合わせることができないんだね。

ルートを文字と同じ単位とみなす仕組み

すくぞう
すくぞう

足せない理由はよくわかったよ。

でも、じゃあルートの足し算はどうやって計算すればいいの?一生計算できないのかな?

博士
博士

そこで思い出してほしいのが、中学1年生で習った「文字式の計算」じゃ。

2x + 3y はこれ以上計算できるかの?

すくぞう
すくぞう

文字が違うから、これ以上まとめられないよ。

2x + 3y のままだね。

博士
博士

では、2x + 3x ならどうかの?

すくぞう
すくぞう

文字が同じだから、係数を足して 5x にできるよ!

博士
博士

実はルートの足し算も、これとまったく同じなのじゃよ。

ルートを文字と同じ「1つの単位」とみなすのじゃ。

すくぞう
すくぞう

ルートを文字と同じとみなすの?

博士
博士

そうじゃ。\sqrt{3} というルートをひとまとまりの単位と見れば、

\begin{aligned} 2\sqrt{3} + 3\sqrt{3} &= (2 + 3)\sqrt{3} \\ &= 5\sqrt{3} \end{aligned}

となるのじゃ。

\sqrt{3} が2個」と「\sqrt{3} が3個」を合わせるのじゃから、合計で「\sqrt{3} が5個」になるのは極めて自然じゃろう。

すくぞう
すくぞう

あ!本当だ!文字式の同類項をまとめるのとまったく一緒だね!

ルートの中身が同じときだけ、外側の数字を足し算・引き算できるんだ!

博士
博士

その通りじゃ。そしてここで、前回学んだ a\sqrt{b} の変形が本領を発揮するのじゃよ。たとえば、次の式を見てみるのじゃ。

\sqrt{12} + \sqrt{27}

すくぞう
すくぞう

うーん、中身が 12 と 27 で違うから、足せないのかな……?

博士
博士

そこで前回の技を使うのじゃ。

中身の数を a\sqrt{b} の形に直してみるのじゃ。

すくぞう
すくぞう

やってみるね!

\sqrt{12} = \sqrt{2^2 \times 3} = 2\sqrt{3} で、

\sqrt{27} = \sqrt{3^2 \times 3} = 3\sqrt{3} だから……

あ!どっちも \sqrt{3} に揃った!

博士
博士

見事じゃ。書き直してみると、

\begin{aligned} \sqrt{12} + \sqrt{27} &= 2\sqrt{3} + 3\sqrt{3} \\ &= 5\sqrt{3} \end{aligned}

と計算できるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

すごい!

一見バラバラに見えていたルートの中身を小さく揃えることで、共通の単位が浮き彫りになって足し算できるようになるんだね!

博士
博士

前回「足し算の準備」と言った意味が実感できたようじゃな。

ルートの加減計算の正体は、「中身をできるだけ小さく揃えて、文字式のようにまとめること」なのじゃ。

なぜ分母にルートを残してはいけないのか

電卓のない時代における割り算の困難

すくぞう
すくぞう

足し算の仕組みはよくわかったよ!じゃあ、もう一つの謎の「分母のルート」について教えてほしいな。

どうして \dfrac{1}{\sqrt{2}} のように、分母にルートを残したまま答えてはいけないのかな?

博士
博士

これも実に良い疑問じゃのぅ。

多くの学校では「そういうルールだから」と教えられがちじゃが、実は昔の人の切実な計算の苦労から生まれた知恵なんじゃよ。

すくぞう
すくぞう

昔の人の苦労?

博士
博士

すくぞう、いま電卓を使わずに、\dfrac{1}{\sqrt{2}} の値がおよそいくつになるか手計算で調べたいとするのじゃ。

\sqrt{2} \fallingdotseq 1.4142 として、分数の意味通りに割り算をしてみてほしい。

すくぞう
すくぞう

分数は「分子 ÷ 分母」だから、1 \div 1.4142 の筆算をすることになるね。

ええと、小数点を4桁動かして……

10000 \div 14142 ……?

うわっ、割る数が5桁の小数なんて、筆算が大変すぎるよ!途中で計算ミスしそうだし、割り切れないから果てしない作業になっちゃうよ。

博士
博士

そうじゃろう。割る数が無限に続く小数だと、1桁目を決めるだけでも一苦労じゃ。

昔はパソコンも電卓もなかったからのぅ。

すくぞう
すくぞう

昔の人もこの筆算に苦労したんだね。

博士
博士

たいへんな苦労じゃったろうの。そこで先人たちは考えたのじゃ。

「割る数(分母)が小数だからこんなに苦しいのじゃ。分母を普通の整数に変えることはできないじゃろうか?」とな。

すくぞう
すくぞう

分母を普通の整数に変える?

そんなことできるの?

博士
博士

分数の基本性質を思い出すのじゃ。

分母と分子に「同じ数」を掛けても、分数の大きさそのものは変わらんかったな。

すくぞう
すくぞう

うん、\dfrac{1}{2} の分母と分子に 2 を掛けたら \dfrac{2}{4} になるけど、大きさは同じだよね。

博士
博士

では、分母の \sqrt{2} を整数にするには、何を掛ければよいかの?

すくぞう
すくぞう

ルートは同じものを2回掛けると中身の数字になるから……

\sqrt{2} を掛ければいいのかな?

博士
博士

大正解じゃ!分母と分子の両方に \sqrt{2} を掛けてみるのじゃ。

\begin{aligned} \dfrac{1}{\sqrt{2}} &= \dfrac{1 \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}} \\ &= \dfrac{\sqrt{2}}{2} \end{aligned}

分母が綺麗な整数「2」になったじゃろう。

すくぞう
すくぞう

あ!本当だ!

分母からルートが消えて普通の「2」になった!

博士
博士

この形にしてから、さっきの割り算をもう一度やってみるのじゃ。
\sqrt{2} \fallingdotseq 1.4142 を代入すると、どうなるかの?

すくぞう
すくぞう

\dfrac{1.4142}{2} だから、計算は 1.4142 \div 2 だね。

ええと、1.4142 \div 2 = 0.7071

……あれ!?暗算でもすぐに計算できちゃった!

博士
博士

そうなんじゃよ!1 \div 1.4142 は大変な筆算じゃったが、1.4142 \div 2 なら小学生でもすぐに計算できる。

分母を無理数(ルート)から有理数(整数)に変えることから、この変形を「分母の有理化」と呼ぶのじゃ。

すくぞう
すくぞう

なるほど!

有理化って、ただの形式的な規則じゃなくて、「割り算の手間を減らすための知恵」だったんだね!

分母を有理数にする変形の手順

博士
博士

納得してもらえて嬉しいのぅ。有理化の手順を一般化して整理しておこう。

分母にルートが1つだけある場合、分母と分子に「分母と同じルート」を掛けるのじゃ。

\begin{aligned} \dfrac{a}{\sqrt{b}} &= \dfrac{a \times \sqrt{b}}{\sqrt{b} \times \sqrt{b}} \\ &= \dfrac{a\sqrt{b}}{b} \end{aligned}

すくぞう
すくぞう

分母のルートと同じものを上下に掛けるだけだから、やり方はとてもシンプルだね。

博士
博士

ただし、計算したあとに「約分」ができる場合があるから、そこだけ注意が必要じゃ。

たとえば \dfrac{6}{\sqrt{3}} を有理化してみるのじゃ。

すくぞう
すくぞう

上下に \sqrt{3} を掛けるんだよね。

\begin{aligned} \dfrac{6}{\sqrt{3}} &= \dfrac{6 \times \sqrt{3}}{\sqrt{3} \times \sqrt{3}} \\ &= \dfrac{6\sqrt{3}}{3} \end{aligned}

あ、外側の整数 6 と 3 は、3 で約分できる!

\begin{aligned} \dfrac{6\sqrt{3}}{3} &= 2\sqrt{3} \end{aligned}

分母が 1 になって整数になったよ!

博士
博士

見事じゃ。ルートの外の整数同士は約分できるからのぅ。

最後まで約分し忘れないようにするのがコツじゃよ。

すくぞう
すくぞう

分母が足し算になっている分数、たとえば \dfrac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}} みたいなときはどうするの?これも同じように掛ければいいのかな?

博士
博士

そこに気づくとは鋭いのぅ。じゃが、もし分母全体に \sqrt{3} を掛けても、分配法則で別の場所にルートが残ってしまうのじゃ。

分母が足し算や引き算になっている形の有理化は、高校の数学Iで乗法公式を使って変形する発展的な技を使うのじゃよ。中学校では、まずこの「分母が単項のルート」を確実に有理化できれば十分じゃ。

すくぞう
すくぞう

高校でさらにレベルアップするんだね。

まずはこの基本の有理化をしっかり身につけるよ!

演習問題

ルートの加減計算と分母の有理化について、実際の演習問題を解いて確認していきましょう。

問題 1 の解答・解説

(1)

ルートの中身が同じであるため、文字式の同類項と同様に外側の係数を足し合わせる。

\begin{aligned} 5\sqrt{2} + 3\sqrt{2} &= (5 + 3)\sqrt{2} \\ &= 8\sqrt{2} \end{aligned}

答え:8\sqrt{2}

(2)

共通の \sqrt{3} をもつ項の係数を順に計算する。

\begin{aligned} 4\sqrt{3} - 7\sqrt{3} + 2\sqrt{3} &= (4 - 7 + 2)\sqrt{3} \\ &= -1\sqrt{3} \\ &= -\sqrt{3} \end{aligned}

答え:-\sqrt{3}

(3)

ルートの中身が異なるため、それぞれ a\sqrt{b} の形に変形して中身を最小の自然数に揃える。

\sqrt{50} = \sqrt{5^2 \times 2} = 5\sqrt{2}

\sqrt{18} = \sqrt{3^2 \times 2} = 3\sqrt{2}

中身が \sqrt{2} に揃ったため、係数の引き算を行う。

\begin{aligned} \sqrt{50} - \sqrt{18} &= 5\sqrt{2} - 3\sqrt{2} \\ &= (5 - 3)\sqrt{2} \\ &= 2\sqrt{2} \end{aligned}

答え:2\sqrt{2}

問題 2 の解答・解説

(1)

分母と分子に \sqrt{5} を掛けて分母を有理数にする。

\begin{aligned} \dfrac{3}{\sqrt{5}} &= \dfrac{3 \times \sqrt{5}}{\sqrt{5} \times \sqrt{5}} \\ &= \dfrac{3\sqrt{5}}{5} \end{aligned}

答え:\dfrac{3\sqrt{5}}{5}

(2)

分母と分子に \sqrt{2} を掛けたあと、整数の係数を約分する。

\begin{aligned} \dfrac{4}{\sqrt{2}} &= \dfrac{4 \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}} \\ &= \dfrac{4\sqrt{2}}{2} \\ &= 2\sqrt{2} \end{aligned}

答え:2\sqrt{2}

(3)

先にルートの中身を約分してから有理化を行うと計算が簡潔になる。

\begin{aligned} \dfrac{\sqrt{3}}{\sqrt{6}} &= \sqrt{\dfrac{3}{6}} \\ &= \sqrt{\dfrac{1}{2}} \\ &= \dfrac{1}{\sqrt{2}} \end{aligned}

ここで分母と分子に \sqrt{2} を掛けて有理化する。

\begin{aligned} \dfrac{1}{\sqrt{2}} &= \dfrac{1 \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}} \\ &= \dfrac{\sqrt{2}}{2} \end{aligned}

(※直接分子・分母に \sqrt{6} を掛けて \dfrac{\sqrt{18}}{6} = \dfrac{3\sqrt{2}}{6} = \dfrac{\sqrt{2}}{2} と求めてもよい)

答え:\dfrac{\sqrt{2}}{2}

問題 3 の解答・解説

第1項を a\sqrt{b} に変形し、第2項を有理化して、共通のルート \sqrt{3} をもつ形に揃える。

第1項の変形:

\sqrt{27} = \sqrt{3^2 \times 3} = 3\sqrt{3}

第2項の有理化:

\begin{aligned} \dfrac{12}{\sqrt{3}} &= \dfrac{12 \times \sqrt{3}}{\sqrt{3} \times \sqrt{3}} \\ &= \dfrac{12\sqrt{3}}{3} \\ &= 4\sqrt{3} \end{aligned}

各式を代入して引き算を行う。

\begin{aligned} \sqrt{27} - \dfrac{12}{\sqrt{3}} &= 3\sqrt{3} - 4\sqrt{3} \\ &= (3 - 4)\sqrt{3} \\ &= -\sqrt{3} \end{aligned}

答え:-\sqrt{3}

まとめ

すくぞう
すくぞう

博士、ありがとう!

ルートの足し算の仕組みと、分母を有理化する本当の理由がよくわかったよ!

博士
博士

うむ、素晴らしい理解の深まりじゃったのぅ。

今回学んだ要点を整理しておこうかの。

すくぞう
すくぞう
  • 1つ目は、ルートの足し算は中身を足してはいけなくて、ルートを文字と同じ単位とみなして、中身が揃っているときだけ足し引きできること。
  • 2つ目は、a\sqrt{b} に変形することで、バラバラに見えるルートを同じ単位に揃えられること。
  • 3つ目は、分母の有理化は、昔の人が小数の割り算を整数で割る簡単な計算に変えるために編み出した知恵であること。
  • 4つ目は、分母と同じルートを分母と分子の両方に掛けて、最後に約分を確認すること!
博士
博士

完璧なまとめじゃよ。

これで中学校で学ぶ「平方根」の基礎から計算技術までの全4ステップをすべて完走したのじゃ。

すくぞう
すくぞう

ルートの記号を見たときは記号の壁に圧倒されそうだったけど、誕生の理由から一つずつ順番に辿っていったら、全部納得しながら進むことができたよ!

博士
博士

その納得感こそが数学の醍醐味じゃからのぅ。

平方根の計算を自在に操れるようになったいま、次は中学校数学の代数の集大成である「二次方程式」の世界へいつでも進むことができるのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

二次方程式!新しい方程式の世界もすごく楽しみだな。博士、これからもよろしくね!

博士
博士

ふぉっふぉっふぉ、いつでも聞いておくれ。

共に数学の探究を続けていこうかのぅ。

コメント