【数学B】正規分布って何?

スポンサーリンク
すくぞう
すくぞう

博士!

確率密度関数は理解できたんだけど、教科書の次のページを開いたら \pie が入ったとても複雑な数式が出てきたよ。

この「正規分布」って、一体どういう分布なの?

博士
博士

ほう、正規分布(せいきぶんぷ)じゃな!

たしかに式だけを見ると一見複雑に見えるかもしれんが、統計学の中で最も基本となり、頻繁に使われる重要な確率分布じゃ。

すくぞう
すくぞう

一番よく使われるんだね。

どうしてそんなに重要なの?

博士
博士

順番に紐解いていこう。

正規分布とは何か?「自然に現れる山型の分布」

博士
博士

まず「正規分布」という言葉の意味から整理してみよう。

英語では Normal Distribution と呼ぶ。

正規(Normal)の意味:統計学で最も一般的に現れる分布

博士
博士

Normal には「普通の」「標準的な」という意味がある。

人間の身長や体重、製品の寸法の誤差、試験の点数など、自然界や社会のさまざまなデータを集めてグラフにすると、中央が高く左右対称に広がる「山型」の形になることが多いのじゃ。

すくぞう
すくぞう

自然なデータを集めると、自然と中央が高くなる山型になることが多いんだね!

記号 N(m, σ^2) の見方:平均と分散の2つで決まる

博士
博士

この正規分布は、平均 m と分散 \sigma^2 という2つの数値が決まれば、全体の形がただ一つに決まる性質を持っている。

これを記号で N(m, \sigma^2) と書くのじゃ。

すくぞう
すくぞう

平均 m が山の中心の位置で、分散 \sigma^2 が山の横幅(散らばり具合)を表しているんだね。

なぜ複雑な関数式をしているのか

すくぞう
すくぞう

でも博士、教科書に載っている確率密度関数の式がすごく複雑に見えるんだけど……。

f(x) = \dfrac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma} e^{-\frac{(x-m)^2}{2\sigma^2}}

この式は丸暗記しないといけないの?

博士
博士

高校数学の段階で、この式を暗記して自力で展開・計算する必要はないぞ。

大事なのは「なぜこのようなパーツで組み立てられているか」という構造の役割を知ることじゃ。

山型のカーブを作る中心部分:e のマイナス乗の役割

博士
博士

まず、式の後半にある e^{-\frac{(x-m)^2}{2\sigma^2}} の部分じゃ。

中心の平均 m から離れるほど、(x-m)^2 は大きくなり、e のマイナス乗によって値は急速に小さくなる。

これによって「平均から離れるほど確率密度が低くなる」という左右対称の綺麗な山型カーブが作られるのじゃ。

すくぞう
すくぞう

なるほど!
平均から離れるほど小さくなる仕組みを作っているんだね。

全区間の面積をピッタリ 1 に調整する定数:ルート2パイ

博士
博士

そして、式の前半にある \dfrac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma} は、確率密度関数の鉄則である「グラフ全体の下側の面積(全確率)をピッタリ 1 に揃える」ための調整用の数(定数)じゃ。

すくぞう
すくぞう

全体で積分したときに面積が1(100%)になるように、最初から数値を調整してくれているんだね。

なぜ色々なデータが正規分布になるのか

すくぞう
すくぞう

でも博士、なんで身長や測定誤差みたいな全然違うデータが、みんな同じような山型になるの?

博士
博士

そこが確率論の面白いところじゃな。

小さな誤差や要因が多数重なると山型になる

博士
博士

個々の要因はランダムであっても、それらが無数に積み重なると、中央付近の値が出る確率が最も高くなり、極端な値が出る確率は急激に低くなる。

これを数学的に証明したのが「中心極限定理」という重要な定理じゃ。

コイン投げ(二項分布)の回数を増やすと正規分布に近づく

すくぞう
すくぞう

あ!
前回習った「コイン投げ(二項分布)」も回数を増やしたら山型になるの?

博士
博士

その通りじゃ!

第5回で学んだ二項分布 B(n, p) も、試行回数 n を十分大きくしていくと、離散的なヒストグラムがなめらかな正規分布 N(np, np(1-p)) の形に限りなく近づく。

これを「二項分布の正規近似」と呼ぶのじゃよ。

まとめ

すくぞう
すくぞう

正規分布って、「平均と分散の2つで形が決まる、自然界で最も一般的な山型の確率分布」だったんだね!

博士
博士

うむ、見事な整理じゃ!

正規分布の全体像が掴めたら、次はいよいよ実際の確率や割合を数値として計算する「標準正規分布(ひょうじゅんせいきぶんぷ)」と「変数の標準化」に進むぞ。

どんな平均や分散の正規分布でも、同じ一つの「正規分布表」を使って計算できるようにする統一ルールを学んでいこう。

次回は 「標準正規分布ってなに?」 について解説していくぞ。

コメント