【数学Ⅱ】対数法則はなぜ成り立つ?logの足し算が掛け算になる理由を解説

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すくぞう
すくぞう

博士!対数の意味は分かったんだけど、教科書に出てきた公式を見て驚いたよ。
\log_2 4 + \log_2 8 = \log_2 32 になるって書いてあるんだ。

対数同士の足し算なのに、なんで真数は 4 \times 8 = 32 って掛け算になるの?
足し算なら 4 + 8 = 12 になる方が自然じゃない?

博士
博士

ふむ、非常に自然な違和感じゃな!

誰もが「対数の足し算なのになぜ真数は掛け算になるのか」と首をかしげるポイントじゃ。じゃが、思い出してみるのじゃ。

前回の記事で学んだ通り、対数とは「指数の肩に乗っている数字」のことじゃったな。
指数の計算で「肩の数字の足し算」が起こるのはどんなときじゃったかの?

すくぞう
すくぞう

あ!2^2 \times 2^3 = 2^{2+3} = 2^5 のときだ!
元の数を掛け算すると、肩の数字は足し算になる!

博士
博士

その通りじゃ!
「元の数の掛け算」と「肩の数字の足し算」は裏表の関係にあるのじゃよ。

対数法則とは、新しい魔法の計算ルールではなく、指数法則を「肩の数字の視点」から言い換えたものに過ぎないのじゃ。

今回は、この対数法則の3つの公式がなぜ成り立ち、どう使えばよいのかを原理から解き明かしていくぞ。

対数の足し算が真数の掛け算になる理由

指数法則「掛け算は肩の足し算」との対応

すくぞう
すくぞう

そっか!対数は「肩の数字」だから、対数の足し算(肩の足し算)は、元の数の掛け算(真数の掛け算)に対応してるんだね!

博士
博士

うむ、直感的なイメージはその通りじゃ。具体的な数値で確認してみよう。

\log_2 4 = 2 \quad (2^2 = 4)

\log_2 8 = 3 \quad (2^3 = 8)

この2つを足し算すると、2 + 3 = 5 になるの。

一方、真数同士を掛け算すると 4 \times 8 = 32 になる。

2 を何乗したら 32 になるかというと、2^5 = 32 だから \log_2 32 = 5 じゃな。

\log_2 4 + \log_2 8 = 2 + 3 = 5 = \log_2 32 = \log_2 (4 \times 8)

すくぞう
すくぞう

本当だ!2 + 3 = 5 になってピッタリ一致する!

文字式を使った証明(M = a^p, N = a^q と置く方法)

博士
博士

一般の数でも成り立つことを、文字式で証明しておこう。これが「対数の加法公式」じゃ。

\log_a M + \log_a N = \log_a (M \times N)

博士
博士

証明の考え方はとてもシンプルじゃ。\log_a M = p, \log_a N = q と置くのじゃ。

対数の定義から、指数の形に書き直すと次のようになる。

M = a^p, \quad N = a^q

この MN を掛け合わせると、指数法則 a^p \times a^q = a^{p+q} より、

M \times N = a^p \times a^q = a^{p+q}

この式 M \times N = a^{p+q} を、再び対数の定義にしたがって \log の形に変形するのじゃ。

p + q = \log_a (M \times N)

最初に置いた p = \log_a M, q = \log_a N を代入すると、公式が導き出されるぞ。

\log_a M + \log_a N = \log_a (M \times N)

すくぞう
すくぞう

指数法則の a^p \times a^q = a^{p+q} を対数の形に言い換えただけなんだね!これなら丸暗記しなくても納得できるよ。

対数の引き算が真数の割り算になる理由

指数法則「割り算は肩の引き算」との対応

すくぞう
すくぞう

じゃあ、対数の引き算はどうなるの?

博士
博士

加法(足し算)が乗法(掛け算)になったのだから、減法(引き算)は除法(割り算)になるのじゃ。

\log_a M - \log_a N = \log_a \dfrac{M}{N}

すくぞう
すくぞう

なるほど!指数法則でも「割り算は肩の引き算」だったもんね!

a^p \div a^q = a^{p-q} だから、肩の引き算は真数の割り算になるんだ。

log_a (M/N) = log_a M – log_a N の直感イメージ

博士
博士

その通りじゃ。具体例で確かめてみよう。

\log_2 32 - \log_2 8 = 5 - 3 = 2

真数同士を割り算すると \dfrac{32}{8} = 4 となり、\log_2 4 = 2 になるからの。

\log_2 32 - \log_2 8 = \log_2 \dfrac{32}{8} = \log_2 4 = 2

ただし、引き算の順番には注意するのじゃよ。引く方の数 N が分母 \dfrac{M}{N} に来るのじゃ。

真数の指数が前に飛び出る理由(log_a M^p = p log_a M)

M を p 回掛け合わせる計算からの導出

すくぞう
すくぞう

もう一つ、教科書に「真数の肩に乗っている数字は、logの前に出せる」って書いてあったんだけど、これはどういうこと?

博士
博士

これは第3の重要な公式じゃな。

\log_a M^p = p \log_a M

例えば、\log_2 8^2 を考えてみよう。8^2 = 8 \times 8 じゃな。

先ほどの足し算の公式(掛け算は足し算に分解できる)を使うと、次のようになるのじゃ。

\log_2 (8 \times 8) = \log_2 8 + \log_2 8 = 2 \times \log_2 8

すくぞう
すくぞう

あ!\log_2 8 が2個分になった!

だから前に 2 が出てきたんだね!

博士
博士

そうじゃ。M^p とは Mp 回掛け合わせたものじゃから、\log_a Mp 回足し算することと同じになる。

だから肩の指数 p\log の前に係数として飛び出すのじゃよ。

累乗根(ルート)が含まれる計算への応用

すくぞう
すくぞう

この公式を使うと何が便利なの?

博士
博士

ルート(累乗根)が含まれる対数計算が劇的に楽になるのじゃ。例えば \log_3 \sqrt{3} を計算してみよう。

前回習った「累乗根は分数指数に直せる」というルールを覚えているかの?

すくぞう
すくぞう

うん!\sqrt{3} = 3^{\frac{1}{2}} だね!

博士
博士

そうじゃ。これに第3の公式を使うと、肩の \dfrac{1}{2} を前に出せるのじゃよ。

\log_3 \sqrt{3} = \log_3 3^{\frac{1}{2}} = \dfrac{1}{2} \log_3 3

ここで \log_3 3 = 131 乗すると 3)じゃから、答えは \dfrac{1}{2} と一瞬で求まるのじゃ。

演習問題:対数法則を使った計算トレーニング

問題 1 の解答・解説

底が共に 6 で揃っている対数同士の足し算です。

対数法則 \log_a M + \log_a N = \log_a (M \times N) を適用し、真数同士の掛け算にまとめます。

\log_6 2 + \log_6 3 = \log_6 (2 \times 3) = \log_6 6

\log_6 6 は「6 を何乗したら 6 になるか」を意味するため、値は 1 です。

したがって、求める値は以下の通りです。

1

問題 2 の解答・解説

底が共に 3 で揃っている対数同士の引き算です。

対数法則 \log_a M - \log_a N = \log_a \dfrac{M}{N} を適用し、真数同士の割り算にまとめます。

\log_3 18 - \log_3 2 = \log_3 \dfrac{18}{2} = \log_3 9

9 = 3^2 であるため、\log_3 9 = \log_3 3^2 となり、肩の指数 2 を前に出すか、3 を何乗したら 9 になるかを考えて計算します。

\log_3 3^2 = 2 \log_3 3 = 2 \times 1 = 2

したがって、求める値は以下の通りです。

2

問題 3 の解答・解説

まず、第一項 2 \log_2 6 の前にある係数 2 を、対数法則 p \log_a M = \log_a M^p を用いて真数 6 の指数へ戻します。

2 \log_2 6 = \log_2 6^2 = \log_2 36

与えられた式に代入すると、底が 2 の引き算の形になります。

\log_2 36 - \log_2 9

引き算の対数法則 \log_a M - \log_a N = \log_a \dfrac{M}{N} を適用して真数を割り算します。

\log_2 \dfrac{36}{9} = \log_2 4

4 = 2^2 であるため、\log_2 4 = 2 となります。

したがって、求める値は以下の通りです。

2

まとめ:対数法則は「指数の法則」を対数で言い換えたもの

すくぞう
すくぞう

「対数の足し算がなぜ真数の掛け算になるのか」の理由が分かったら、丸暗記じゃなくて自然に公式を使えるようになったよ!

博士
博士

うむ!対数法則の本質は、すべて「指数の肩の計算」であるという点に行き着くのじゃ。

  1. 足し算は掛け算に:\log_a M + \log_a N = \log_a (M \times N)a^p \times a^q = a^{p+q} に対応)
  2. 引き算は割り算に:\log_a M - \log_a N = \log_a \dfrac{M}{N}a^p \div a^q = a^{p-q} に対応)
  3. 肩の数は前へ:\log_a M^p = p \log_a M(a^p)^q = a^{pq} に対応)
博士
博士

底が揃っていれば、対数法則を使って複雑な式をぎゅっとシンプルにまとめることができるのじゃ。

これがマスターできたら、次は底が揃っていないときに活躍する「底の変換公式」の秘密を解き明かしていくとしようかの。

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