
博士!
加減法と代入法で計算できるようになって、連立方程式の解き方はバッチリ分かったよ!

うむ、文字を1つ消去して、中1の方程式に戻すという本質をしっかり掴めたようじゃな。

うん!でもね、学校で文章題のページを開いたら、急に式が作れなくなっちゃって……。
文章題って、問題文が長くて何から手をつけていいか分からなくなるんだよね。

ふぉっふぉっふぉ、文章題に苦手意識を持つ人は本当に多いのぅ。
じゃが、すくぞう、実は中2で習う連立方程式の文章題は、中1の方程式の文章題よりもずっと素直で解きやすいのじゃよ。

えっ!?
文字が2つに増えてるのに、中1より簡単なんてことあるの?

あるとも。
むしろ、文字が2つ使えるからこそ、頭の中で無理な置き換えをしなくて済むのじゃ。

どういうこと?
早く知りたいな!

よし、では中1の方程式でなぜ多くの人が苦しんだのか、その原因から順に見ていくとしよう。
なぜ中2の連立方程式は中1より素直なのか
文字を1つに縛る中1の不自然な置き換え

中1の文章題って、何がそんなに大変だったのかな?

中1の文章題でよくあった、次のような問題を思い出してみてほしいの。
りんごとみかんを合わせて10個買いました。代金の合計は1040円でした。
この問題を中1のやり方で解こうとするとき、まず文字をどう置いたか覚えておるかの?

えーと、りんごを x 個と置くんだよね。
そうすると……みかんの個数は、合わせて10個だから (10 - x) 個って置いたよ!

そうじゃ。そこがまさに最大の負担だったのじゃよ。
問題文には「りんご」と「みかん」という2つの別の果物が登場しておる。
それなのに、中1では文字を x の1つしか使えないという厳しい縛りがあった。
そのため、「みかんの個数」を頭の中で一段階ひねって、(10 - x) という引き算の式に無理やり変換しなければならなかったのじゃ。

あ!言われてみればそうだ!
「みかんを x - 10 にするんだっけ?10 - x だっけ?」って、引き算の順番でいつも迷って嫌になってたよ。

そうじゃろう。
現実には未知のものが2つあるのに、無理やり1つの文字だけで表現しようとするから、立式の段階で頭に大きな負荷がかかっておったのじゃ。
未知数を2つ置けば問題文をそのまま直訳できる

じゃあ、中2の連立方程式だとどうなるの?

未知のものが2つあるなら、2つともそのまま文字にしてしまえばよいのじゃ。
りんごの個数を x 個、みかんの個数を y 個と置くのじゃよ。

えっ、みかんを y 個って置いちゃっていいの?

もちろんじゃ。そうすれば、問題文の条件を日本語のまま式に直訳できる。
まず、「合わせて10個」という条件はどう式にできるかの?

りんごが x 個で、みかんが y 個だから……
足して10個、つまり x + y = 10 だ!

その通りじゃ。なんのひねりもない、素直な足し算じゃな。
では、りんごが1個120円、みかんが1個80円で、代金の合計が1040円という条件はどうかの?

りんご代が 120x 円で、みかん代が 80y 円だから……
120x + 80y = 1040 だね!

見事じゃ。これで連立方程式が完成した。
\begin{cases} x + y = 10 \\ 120x + 80y = 1040 \end{cases}

すごい!
問題文に書いてある日本語をそのまま順番に式にしただけで、2本の式ができちゃった!

そうじゃろう。
中1のように (10 - x) といった複雑な置き換えを考える必要は一切ない。
問題文の日本語を1文ずつそのまま数式に翻訳するだけで立式できるのが、連立方程式の最大の強みなのじゃよ。
連立方程式の文章題を迷わず立式する手順
求めたい2つの数量をそのまま文字に置く

立式の手順を整理しておきたいな。
まずは何から始めればいいの?

最初のステップは、「何を x とし、何を y とするのか」をハッキリ言葉で宣言することじゃ。
文章題の最後には、必ず「〜をそれぞれ求めなさい」と書いてあるの。
その求めたい2つの数量を、素直に x と y に設定するのじゃよ。

問題文の最後の質問を見るんだね!

その通りじゃ。
その際、必ず「単位」を意識して書くのが肝心じゃ。
単に「りんごを x」とするのではなく、「りんごの個数を x 個」「みかんの個数を y 個」のように、何を数えているのかを明確にしておくのじゃ。

単位をつけて宣言しておけば、後で計算が終わったときにも「あれ、x って何だっけ?」って迷わずに済むね!
数量の合計と金額の条件で2本の式を作る

次のステップは、「問題文から2つの独立した等しい関係を見つけること」じゃ。
連立方程式を解くためには式が2本必要じゃったな。
文章題の中には、必ず天秤として釣り合う関係が2つ隠されておるのじゃ。

さっきの問題だと、「個数の合計」と「代金の合計」の2つだったね。

まさにその通りじゃ。
多くの場合、1本目の式は「数量そのものの合計(個数、人数、道のりなど)」を表すシンプルな式になる。
そして2本目の式は、「単価や割合を掛けた合計(金額、時間、重さなど)」を表す式になるのじゃ。

なるほど!
「個数の天秤」と「金額の天秤」の2つを別々に作る感覚なんだね!

素晴らしい理解じゃ。
では、この2本立ての立式ロジックを使って、実際の入試やテストで出題される演習問題に挑戦してみよう。
演習問題:代表的な文章題の立式
文章題の状況を素直に2本の式に整理し、答えを導く流れについて確認していきましょう。
問題 1 の解答・解説
りんごを買った個数を x 個、みかんを買った個数を y 個とします。
個数の合計と代金の合計の関係より、連立方程式をつくると、
\begin{cases} x + y = 10 \\ 120x + 80y = 1040 \end{cases}
1本目の式を (1)、2本目の式を (2) とします。
式 (2) の両辺を40で割って整理すると、
3x + 2y = 26 …… (2)’
式 (1) の両辺を2倍すると、
2x + 2y = 20 …… (1)’
式 (2)’ から式 (1)’ を引くと、
\begin{aligned} (3x + 2y) - (2x + 2y) &= 26 - 20 \\ x &= 6 \end{aligned}
求めた x = 6 を式 (1) に代入すると、
\begin{aligned} 6 + y &= 10 \\ y &= 10 - 6 \\ y &= 4 \end{aligned}
確かめとして、求めた値が問題の条件に適しているか確認します。
個数の合計:
\begin{aligned} 6 + 4 &= 10 \end{aligned}
代金の合計:
\begin{aligned} 120 \times 6 + 80 \times 4 &= 720 + 320 \\ &= 1040 \end{aligned}
となり、問題の条件を満たします。
答:りんご 6個、みかん 4個
問題 2 の解答・解説
A地点からB地点までの歩いた道のりを x\ \text{km}、B地点からC地点までの走った道のりを y\ \text{km} とします。
道のりの合計と時間の合計の関係より(時間=道のり÷速さ)、連立方程式をつくると、
\begin{cases} x + y = 14 \\ \dfrac{x}{4} + \dfrac{y}{6} = 3 \end{cases}
1本目の式を (1)、2本目の式を (2) とします。
式 (2) の両辺に分母の最小公倍数である12を掛けて整理すると、
\begin{aligned} 12 \times \left( \dfrac{x}{4} + \dfrac{y}{6} \right) &= 12 \times 3 \\ 3x + 2y &= 36 \end{aligned}
3x + 2y = 36 …… (2)’
式 (1) の両辺を2倍すると、
2x + 2y = 28 …… (1)’
式 (2)’ から式 (1)’ を引くと、
\begin{aligned} (3x + 2y) - (2x + 2y) &= 36 - 28 \\ x &= 8 \end{aligned}
求めた x = 8 を式 (1) に代入すると、
\begin{aligned} 8 + y &= 14 \\ y &= 14 - 8 \\ y &= 6 \end{aligned}
確かめとして、求めた値が問題の条件に適しているか確認します。
道のりの合計:
\begin{aligned} 8 + 6 &= 14 \end{aligned}
時間の合計:
\begin{aligned} \dfrac{8}{4} + \dfrac{6}{6} &= 2 + 1 \\ &= 3 \end{aligned}
となり、問題の条件を満たします。
答:歩いた道のり 8\ \text{km}、走った道のり 6\ \text{km}
まとめ

中1のときはあんなに苦労した文章題が、文字を2つ置くだけでこんなに素直に式にできるなんて驚きだよ!

うむ、未知の数量が2つあるなら、無理に1つにまとめようとせず、2つの文字として素直に受け止める。
これこそが連立方程式の最大の恩恵なのじゃ。

文字が増えるって、難しくなるんじゃなくて、むしろ状況をそのまま表せる自由が増えるってことだったんだね。

まさに至言じゃな。
「現実の複雑な関係を、そのまま数式として書き表す道具」として代数を使いこなせるようになると、数学の世界は大きく広がるのじゃよ。

連立方程式の全体像がしっかり掴めて、数学がまた一段と面白くなってきたよ!
博士、丁寧に教えてくれてありがとう!

ふぉっふぉっふぉ、よく学び、よく考えたの。
この連立方程式の考え方は、これから学ぶ一次関数との交点や、高校数学の空間座標・ベクトルでもずっと活きてくる基礎となるのじゃ。
自信を持って次のステップへ進むとよいぞい!

コメント