ここでは、数学B「統計的な推測」で出てくる「標準正規分布(ひょうじゅんせいきぶんぷ)」についてまとめてます。
博士!
標準正規分布がよくわからないんだけど。
ふむ。
簡単に言うと、正規分布を使いやすくするんじゃが、それだと納得しないんじゃろ?
うん。
正規分布から書き換えるところがちょっとわからない。
では、そのあたりから見ていこうかの。
正規分布のままでは使いづらい
正規分布は、平均値(期待値)の周辺に値がまとまっている分布でした。
また、正規分布は、\(N(m,σ^2)\)で表されます。つまり、平均と標準偏差さえわかれば、どのような分布になっているのかがわかるということです。
ただ、このままでは、「全体の50%になる部分はどの範囲なのか」などというのがぱっと見でわかりません。
そこで、標準正規分布\(N(0,1)\)を使い、正規分布表という予め計算された表を使うことで簡単に計算することができるようになります。
正規分布表を使いたいから標準正規分布に直すんだね。
その通りじゃ。
標準正規分布について
直し方は?
標準正規分布に直すには、以下の式に代入します。
\(Z=\frac{X-m}{σ}\) \(X=確率変数,m=期待値,σ=標準偏差\)
式の意味は?
この分子の\(X-m\)は、期待値からどれぐらい離れているかを表しています。プラスの値が出れば、期待値より値が大きく、マイナスの値が出れば期待値より値が小さいということです。
この値を\(σ\)で割るので、期待値から離れている値は、標準偏差のいくつ分なのかというのがわかります。0.5という値が出るのであれば、標準偏差の0.5個分(半分)というわけです。
そして、標準偏差のいくつ分なのかがわかれば、正規分布表から値が出せるというわけです。
割り算は、等分といくつ分の2つの意味がある。
今回は、いくつ分の方の意味じゃな。
確率変数Xが、標準偏差のいくつ分、離れているのかが知りたいだけだったんだね。
あとがき
標準正規分布と聞くと意味がわかりにくいですが、標準偏差のいくつ分だけ離れているのかが知りたいだけです。それさえ分かれば、正規分布表から値が出せるのですごく便利というわけです。
ただ、この標準偏差というのが、その元にしている分布(正規分布、二項分布、標本平均の分布、標本比率など)によって、求め方が変わります。それにともない、標準正規分布にする公式が変わってくるので、余計に難しいというわけです。
公式に惑わされず、標準偏差のいくつ分なのかということをしっかりと頭に入れながら問題を解くようにしましょう。
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