【数学B】標準正規分布って何?

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すくぞう
すくぞう

正規分布の形は分かったんだけど、正規分布から「標準正規分布」に書き換える(直す)ところがピンとこないよ。

博士
博士

ふむ!

正規分布 N(m, \sigma^2) のままでは、「上位何%の位置にいるか」という確率がパッと見でわかりにくいのじゃ。

そこで、どんな正規分布でも計算できるように整えた「共通のものさし」が標準正規分布じゃな。

すくぞう
すくぞう

正規分布表を使いたいから、標準正規分布に直すんだね。

博士
博士

その通りじゃ! 順を追って見ていこう。

標準正規分布とは何か?「共通のものさし」

博士
博士

まず「標準正規分布」について整理しよう。

バラバラな正規分布を平均 0・分散 1 に統一する

博士
博士

世の中には、平均 60点・標準偏差 10点のテストもあれば、平均 170cm・標準偏差 5cm の身長データもある。

これらはすべて形や位置が異なる正規分布 N(m, \sigma^2) じゃ。

標準正規分布とは、これらの平均 m0 に、分散 \sigma^2(標準偏差 \sigma)を 1 に揃えた、特別な正規分布 N(0, 1^2) のことじゃ。

すくぞう
すくぞう

平均が 0 で、標準偏差が 1 に統一された基準の正規分布なんだね。

N(0, 1^2) の強み:たった一つの「正規分布表」で全データを計算できる

博士
博士

平均 0、分散 1 に統一しておけば、あらかじめ数学者が計算して作っておいた「正規分布表(正規分布の面積の数値一覧表)」がたった1枚あれば、世の中のあらゆる正規分布の確率が計算できるようになるのじゃ。

すくぞう
すくぞう

なるほど!

データごとに表を作る必要がなくて、1枚の表を使い回せるんだね!

なぜ Z = (X – m) / σ で「標準化」できるのか

すくぞう
すくぞう

でも博士、手元にあるデータ X(平均 m、標準偏差 \sigma)を、どうやって平均 0・標準偏差 1 の Z に変換するの?

博士
博士

そこで使うのが、次の「標準化の公式」じゃ。

Z = \dfrac{X - m}{\sigma}

一見ただの数式に見えるが、引き算と割り算にそれぞれ重要な意味がある。

引き算 (X – m):平均からどれくらい離れているかを表す

博士
博士

まず、分子の X - m じゃ。

これはデータ X が平均点 m からどれくらい離れているかを表しておる。

プラスの値が出れば平均より大きく、マイナスの値が出れば平均より小さいということじゃ。

データ全体から平均 m を引くことで、山の中央(平均値)がピッタリ 0 の位置へ平行移動する。

すくぞう
すくぞう

中心を 0 に揃えるための引き算なんだね!

割り算 ÷ σ:「標準偏差のいくつ分」離れているかを調べる

博士
博士

次に、その値を標準偏差 \sigma で割り算するのじゃ。

割り算には「等分する」という意味と「いくつ分か」という意味の2つがある。今回は後者の「いくつ分か」という意味じゃな。

平均からの離れ具合を \sigma で割ることで、「標準偏差の何個分離れているか」がわかるのじゃ。

例えば Z = 0.5 なら、「標準偏差の 0.5個分(半分)だけ平均より上に離れている」という意味じゃよ。

すくぞう
すくぞう

あ! 確率変数 X が「標準偏差のいくつ分、平均から離れているか」を知りたいだけだったんだね!

「標準偏差のいくつ分か」がわかれば、山の幅が 1 に統一されて、正規分布表から値が出せるんだ!

博士
博士

その通りじゃ。構造が整理できたな。

正規分布表の読み方と「0.5 の足し引き」

すくぞう
すくぞう

「標準偏差のいくつ分か」という Z の値が出たら、教科書の巻末にある「正規分布表」を読むんだよね。

でも、表の数値の扱い方で「0.5 を足したり引いたり」するのがややこしいよ……。

博士
博士

表の「見取り図」を頭の中に描けば迷わなくなるぞ!

正規分布表の基本構造:0 から z までのエリアの面積を表す

博士
博士

教科書の正規分布表に載っている数値 p(z) は、「中央の 0 から 右側の z までの範囲の面積(確率)」を表しておる。

P(0 \leqq Z \leqq z) = p(z)

つまり、山の右半分の「一部のエリア」の面積が書いてあるわけじゃな。

左右対称性を利用する:山全体の半分が 0.5(50%)になる理由

博士
博士

そして、正規分布の山は左右対称で、全エリアの面積は合計で 1(100%)じゃったな?

ということは、中央の 0 より右側全体の面積も、左側全体の面積も、それぞれピッタリ 0.5(50%)になる。

すくぞう
すくぞう

あ! だから 0.5 が基準になるんだ!

博士
博士

そうじゃ!

例えば「z より右側(山の端っこ)の面積」を出したい時は、右側全体の 0.5 から表の数値 p(z) を引き算すればよい(0.5 - p(z))。

逆に「z より左側(山全体の左側から z まで)の面積」を出したい時は、左半分の 0.5 に表の数値 p(z) を足し算すればよい(0.5 + p(z))のじゃ。

すくぞう
すくぞう

図をイメージすれば、「0.5 から引き算するのか、0.5 に足し算するのか」の判断が整理しやすくなるね!

なぜ二項分布や標本平均でも同じ公式が出てくるのか

すくぞう
すくぞう

教科書を進めると、二項分布の正規近似や標本平均の話でも標準化の式が出てくるけど、公式の形が少しずつ違って見えて難しく感じるよ。

博士
博士

公式の見た目に惑わされる必要はないぞ。

標準偏差の求め方が変わるだけで「いくつ分か」の構造は同じ

博士
博士

どの単元であっても、やっていることは「標準偏差のいくつ分、平均から離れているか」を知りたいだけじゃ。

元の分布(普通の正規分布、二項分布、標本平均の分布など)によって標準偏差 \sigma の求め方が変わるため公式の見た目が変わって見えるが、本質はすべて Z = \dfrac{X - m}{\sigma} の形と同じなのじゃよ。

すくぞう
すくぞう

そっか!
見た目の式に惑わされずに「標準偏差のいくつ分か」という考え方を頭に入れておけばいいんだね!

まとめ

すくぞう
すくぞう

標準正規分布って、「標準偏差のいくつ分離れているか」を調べて、共通の正規分布表から確率を出すための仕組みだったんだね!

博士
博士

うむ、要点が整理できたな。

標準正規分布を使った計算を押さえておけば、正規分布の基本的な扱い方は十分じゃ。

いよいよ次回は、本シリーズの最終回「母集団(ぼしゅうだん)って何?」に進むぞ。

世の中の全データを調べるのが難しいとき、一部のデータ(標本)から全体を推測する「統計的推測」の入り口を学んでいこう。

次回は 「母集団って何?」について解説していくぞ。

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